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岩井コスモ証券から学ぶ誠実な新卒採用と求人情報
採用手法・採用知識大阪市に本社を置く岩井コスモ証券株式会社の新卒採用ページ(リクナビ掲載)が「誠実すぎる」と話題になっています。
証券会社の新卒採用といえば、やりがいや成長環境、若手活躍といったポジティブワードが並びがちですが、岩井コスモ証券は少し違いました。
就活生が本音で気になる質問に、かなり率直に回答しているのです。
営業ノルマは厳しい?離職率は高い?への正直な回答
実際に掲載されていた印象的なQ&Aを見てみましょう。
質問:営業の目標は厳しいですか?
回答:厳しくないと言えば嘘になります。
質問:損失が出たら、お客さんに怒られますか?
回答:怒られることもあります。
質問:離職率は高いですか?
回答:高いと思います。
証券会社の営業職という特性上「ノルマ」「顧客対応」「離職率」は就活生が最も不安を感じるポイントです。そこを避けずに触れている点が評価されています。
ブラック企業アナリストの新田龍氏がSNSで紹介したこともあり、「正直で好感が持てる」という声が広がりました。
本当に誠実なのか?求人広告目線での考察
求人広告を扱う立場から見ると、実はそこまで特別なことを言っているわけではありません。
営業職で目標が厳しくないわけがありませんし、証券会社で損失が出れば怒られることもある。ある意味「当然の事実」です。
ただし、新卒採用市場では「良い面だけを強調する求人情報」がまだまだ多いのも事実です。その中で、ネガティブに見える要素に触れたこと自体が際立って見えたのでしょう。
とはいえ、冷静に見ると核心部分はぼかされています。
たとえば、
- 離職率は「高いと思います」とあるが、具体的な数字はない
- 残業時間や平均年収の詳細な開示はない
- 過去の行政処分についての言及はない
もし「3年以内離職率80%です」と具体的に書いてあれば、また印象は変わるはずです。つまり、正直さとブランディングのバランスが非常にうまいというのが私の印象です。
あえて厳しいことを言えば残業時間や離職率の具体的な数字を公表するとさらに高評価です。また昨年度の不適切勧誘に関する行政処分についても何らかのコメントをしておくとグッと印象が上がると思います。
証券会社の新卒採用に求められるリアリティ
証券会社の営業職は、決して楽な仕事ではありません。
- 営業ノルマ
- 顧客からの厳しい叱責
- 相場変動によるプレッシャー
証券会社の営業職ですから損失を出したら「怒られることもあります」よりも「基本怒られます。ときには激しくブチギレされます」ぐらいが正解でしょうか。こうした現実を隠したまま入社させると、ミスマッチが生まれ、結果的に早期離職につながります。
営業手法も飛び込み営業なのかテレアポなのか気になります。ここまで正直に回答すると流石に志望する学生がいなくなりそうですが…。
岩井コスモ証券は誠実だと言われていますが、学生は最終的に入社するかどうか判断する際に、転職会議のような年収や評判が書かれている就職口コミサイトなどをチェックします。
隠しても、どうせ調べられます。だからこそ、最初からある程度の情報を開示するほうが、長期的には企業ブランドを守ることにつながります。
新卒採用は“正直さ”が差別化になる時代
岩井コスモ証券の新卒採用ページが評価された理由は「完璧な企業像」を演出しなかった点にあります。ただし、誠実に見せることと、すべてをさらけ出すことは違います。
そのさじ加減こそが採用広報の腕の見せどころです。残業時間や離職率を具体的に公開する企業はまだ少数派ですが、これからの採用市場では確実に求められていくでしょう。
どうせ知られるなら、先に伝えたほうが賢い。岩井コスモ証券の事例は、そのヒントを与えてくれる好事例だと感じました。
当社では、離職率やリアルな数字を含めた求人広告を出してもよいと考えてくださる企業様を歓迎しています。

