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『欲しい社員を無駄なコストゼロで採る方法』を読んで感じた採用の本質
日常記録・雑感備忘久しぶりに『欲しい社員を無駄なコストゼロで採る方法』を読み返しました。
2006年に出版された本で、著者は当時ディップ株式会社の最高執行責任者(現・常勤監査役)を務めていた大友常世さん。今の採用市場とは環境が違うはずなのに、驚くほど本質的で、いま読んでも学びの多い一冊でした。
景気回復と団塊世代大量退職という2大要因を背景に、人材市場は完全に売り手市場となった。ついに到来した「超」採用難時代。焦ってダメ社員をつかまず、自社に合う優秀な人材を獲得する方法とは? 採用ホームページ検索エンジンと自社ホームページを組み合わせて効率よく社員を獲得するノウハウ満載! 作家・村上龍も推薦する注目の書!
2006年頃はアルバイト市場から新卒採用・中途採用マーケットまで売り手市場が始まっており、人材確保が難しい時代でした。この本は要約すると「求人広告だけではダメ。もっと採用ホームページを活用したほうがいい」と提唱している本です。
当時は、首都圏であっても「採用手法といえばフリーペーパー」と言われるほど、紙媒体が主流の時代でした。タウンワークを筆頭に、フロムエーやガテン、とらばーゆといった求人誌が現場の採用を支えていた時代です。
一方で、インターネットに特化した求人サイトはまだ発展途上で、バイトル(当時バイトルドットコム)ですら「ネットは学生しか使わない」「10代向けの媒体」といった認識が一般的だったと言われています。
そうした時代に「採用ホームページを活用すべき」と提唱している点は、やはり先見性が高いと感じます。当時は今以上にインターネットに対して懐疑的な企業も多く、採用手法といえば紙媒体や求人広告が主流でした。その中で採用ホームページの重要性に言及しているのは、まさに時代を先取りした内容と言えるでしょう。
実際に読んでみると、15年以上経った今でも通用する本質的なノウハウが多く、古さはほとんど感じません。
たとえば「採用ホームページ診断シート」や「欲しい人材タイプ別の採用サイト設計」など、掲載すべきコンテンツやサイトマップまで具体的に落とし込まれており、実務レベルで参考になる内容が詰まっています。
「求人広告と採用ホームページはセットで見られる」「採用ホームページはコンテンツがすべて」「応募前の企業理解が採用効率を高める」「採用サイトで自社の魅力をどう伝えるか」といった考え方は、これから採用ホームページ制作に取り組む企業にとって、今でも十分に通用する重要なポイントだと感じました。
こうしたノウハウは一時的なテクニックではなく、時代が変わっても通用する本質的なものだと感じました。実際、本書に書かれている内容をベースに設計すれば、応募につながる採用ホームページは十分に作れるはずです。
一方で、現場を見ていると、いまだに採用ホームページ(採用ページ)を持っていない企業や、あっても募集要項だけしか掲載されていないケースも少なくありません。正直なところ、この15年で採用リテラシーが大きく進化したとは言い難いのが実態だと感じています。
採用ホームページは無料で情報発信できる点が魅力ですが、実際には制作や運用に一定のコストと工数がかかります。さらに最近では、検索エンジンでの上位表示を狙うためにSEOの知識も求められるようになっています。
その結果、Wantedlyやエンゲージ、エアワーク、ハーモスといった、手軽に始められるサービス(いわゆる採用媒体・簡易ATS)が広く使われるようになりました。
ただ個人的には、こうしたサービスへの投稿を頑張るだけで終わるのではなく、自社の採用ホームページをしっかり運用したほうが、長期的には資産としての価値が大きいと感じています。それでもなお、「採用=まずは求人広告」という考え方が根強く残っているのが現状です。
令和に入って以降も売り手市場は続いており、採用市場は完全に「企業が選ぶ側」から「求職者に選ばれる側」へとシフトしています。この流れは一時的なものではなく、今後さらに強まっていくと考えられます。
その中で、求人広告・人材紹介・採用ホームページといった採用手法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。だからこそ「ラクだから」「簡単だから」といった理由だけで手法を選ぶのではなく、自社に合った採用戦略を設計することがこれまで以上に重要です。
特に採用ホームページは、一度しっかり作り込めば中長期的に効果を発揮する資産型の採用手法です。短期的な効率だけでなく、継続的に応募を生み出す仕組みとして見直してみる価値は十分にあると思います。
当社では、応募につながる採用ホームページの設計・改善支援を行っています。現状の課題整理からでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
追伸:なお、本書には当時ディップが提供していた「ジョブエンジン」の活用を前提とした内容も含まれている印象です。もしジョブエンジンを知っている・実際に使っていたという方がいれば、そのあたりの話もぜひ聞かせていただけると嬉しいです。

