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【炎上】パーソル佐藤裕氏の腕2億+そのままだと落とすけどどうする面接事件
雇用市場・労働問題「そのままだと落とすけどどうする?」という面接発言が、ネット上で大きな炎上を引き起こした事件をご存じでしょうか。
2020年、パーソルホールディングスの新卒採用責任者であった佐藤裕氏のインタビュー記事に掲載されたこの言葉は「圧迫面接ではないか」「採用権力を盾にした発言ではないか」といった批判を呼び、SNSで拡散される騒動となりました。
さらに「2億円で腕を切り落とせるか」という質問も話題となり、企業の面接手法そのものが議論の対象になりました。
本記事では、この「そのままだと落とすけどどうする?」面接炎上事件の経緯を整理し、なぜここまで大きな批判が起きたのかを解説します。あわせて、圧迫面接の是非や、企業が採用面接で注意すべきポイントについても考察します。
目次
そのままだと落とすけどどうする?面接発言とは
2020年8月、パーソルホールディングス株式会社グループ新卒採用統括責任者の佐藤裕氏のインタビュー記事が炎上しました。
記事内では新卒採用の面接において「ごめん。今日、そのままでいくと落とすよ。どうする?」という発言が書かれていました。
この発言に対して、ネット上では「内定・選考通過を盾にとった言い方は、一歩間違えればハラスメント」「まだこんな圧迫面接する奴いるんだ。否定の上に従属強要」「採用権や評価権、人事権を持っている人間が一番言ってはいけない言葉では?」といった批判的な声が相次ぎ、炎上する事態となりました。
魚拓-学生15万人を支援してきた、PERSOL“はたらクリエイティブディレクター” の「就活武装」をはがす面接術
当人ならびにメディアは沈黙し、インタビュー記事はいつのまにか非公開に…。
さらには別の面接では「2億円で腕を切り落とせるか」といった質問をしていたことも明らかになりました。こちら真偽は不明ながら、上のセリフを言う人なら、こうした質問もしそうだと思われたのか、合わせて炎上する騒ぎになりました。
ネット上の口コミはやや飛躍した感想・推測も含まれていると思うものの、なぜこれほど炎上してしまったのか考察したいと思います。
パーソル佐藤裕氏の学歴・経歴
法政大学卒業。国内外での就職活動/キャリア/はたらくなどに関わる講演、講義、面接・キャリアカウンセリング、新卒採用等で出会った学生はこれまで15万以上。パーソルホールディングス株式会社グループ新卒採用統括責任者、キャリア教育支援プロジェクト責任者、株式会社ベネッセi-キャリア特任研究員、株式会社パーソル総合研究所客員研究員等を歴任。
現在はパーソルを退職し、ご自身で会社をやられているようです。
ちなみに15万人以上の学生のキャリア支援に携わってきたとの言葉が記事内にありますが、「毎日100人面接しても年間3万6千人。15万人は明らかにおかしい」といった口コミもありました。
おそらく自社のナビサイト経由のプレエントリー人数を大雑把に合算した数値だと思います。
なぜ炎上したのか|ネットで批判された理由
「そのままだと落とすけどどうする?」という面接発言がここまで炎上した理由は、単に言葉の強さだけではありません。
言葉のインパクト、企業の知名度など、複数の要因が重なったことで一気に批判が広がったと考えられます。
言葉のインパクトが強すぎた
まず大きかったのは、発言そのもののインパクトの強さです。
「そのままだと落とすけどどうする?」という言葉は非常に短く、意味もわかりやすいため、ネット上で引用されやすいフレーズでした。
面接の文脈の中では、応募者の本音を引き出す意図があった可能性もあります。しかし、文章として切り取られると「採用権限を盾にした圧迫面接ではないか」という印象を与えやすく、SNSでは強い言葉だけが独り歩きしてしまいました。
さらに「2億円で片腕を切り落とせるか」という質問も合わせて拡散されたことで「片腕2億」「落とすけどどうする?」という言葉がネットミームのように使われるようになり、結果として炎上が長期化する要因になりました。
パーソル社が注目されやすい企業だった
もう一つの理由は、発言者がパーソルグループという大手人材サービス業の採用責任者だった点です。
知名度の高い企業ほど世間の注目度も高く、採用活動に関する発言はメディアやSNSで拡散されやすくなります。
実際、2021年にはパーソルグループの会社であるパーソルプロセス&テクノロジー株式会社が開発した新型コロナウイルス接触確認アプリ「ココア」の不具合が話題になりました。こうしたニュースも重なり、企業名がネット上で頻繁に言及される状況が続いていました。
そのため今回の面接発言も、単なる一つのインタビュー記事にとどまらず「パーソル」という企業名とセットで語られる形となり、ネット上で繰り返し引用されるようになったのです。
SNS時代では、強い言葉や印象的なフレーズは本来の文脈を離れて拡散されやすくなります。今回の炎上も、発言の内容だけでなく、言葉の拡散しやすさと企業の知名度が重なったことで、大きな話題になったと考えられます。
そのままだと落とすけどどうする?発言の真意
学生の本音を引き出す意図だった可能性
ネット上では強い批判が集まりましたが「そのままだと落とすけどどうする?」という言葉自体が、必ずしも極端に悪質な発言だったとは言い切れない側面もあります。
簡単に言えば「本音ではない学生に対して、本音の言葉を喋ってほしかった」のが真意です。
発言の意図として考えられるのは、建前の回答ではなく、本音で話してほしいというメッセージだった可能性です。
就職活動では学生が事前に用意した模範回答を話すことも多く、面接官が本当の考えや価値観を知りたいと感じる場面は少なくありません。
質問の仕方としては適切だったのか
ただし、意図がどうであれ、この言い方が面接の質問として適切だったかという点には疑問が残ります。学生は緊張しながら面接に臨んでいるため、いきなり強い言葉で評価を突きつけられると、動揺してしまう可能性があります。
面接官としては率直なフィードバックのつもりでも、応募者にとっては「人格を否定された」「圧迫面接ではないか」と受け取られることもあります。
新卒・中途を問わず、面接では言葉の選び方が企業イメージを大きく左右します。
もし応募者の本音を引き出したいのであれば、面接の場で突然プレッシャーをかけるよりも「当社の面接では率直な意見を聞きたい」と説明会や選考の早い段階で伝えておく方法もあります。
実際、パーソルの前身であるインテリジェンス時代には、鎌田和彦社長が会社説明会の場で「面接では本音で話してほしい」と学生に伝えていたことでも知られています。同じ時代に新卒採用マネジャーを務めていた上原隆氏も、学生目線を大切にした採用方針を掲げていました。
今回のケースでは、インタビュー記事自体が非公開になってしまったため、発言の前後の文脈を読めないまま言葉だけが広がってしまいました。SNS時代では、発言の一部だけが切り取られて拡散されることも多く、結果として意図以上に強い批判が集まった面もあると言えるでしょう。
「2億円で片腕を切り落とせるか?」質問は圧迫面接なのか
「2億円で片腕を切り落とせるか?」という質問は、多くの学生にとって圧迫面接と受け取られる可能性が高い質問だと思います。
面接では、想定外の質問をすることで応募者の思考力やアドリブ対応力を確認することがあります。いわゆる「ケース質問」や「価値観を問う質問」と呼ばれるもので、コンサルティング業界などでは比較的よく使われる手法です。
しかし今回のように身体的な損失を前提とした極端な質問は、学生に強い心理的負担を与える可能性があります。面接官としては思考力を見たかっただけだとしても、受け手である学生からすると「答えにくい」「人格を試されている」と感じてしまうことも少なくありません。
採用面接は企業が候補者を評価する場であると同時に、候補者が企業を評価する場でもあります。特に新卒採用では、面接で受けた印象がそのまま企業イメージにつながることも多く、質問の内容や言葉の選び方は非常に重要です。
圧迫面接には「ストレス耐性を確認できる」という意見もありますが、一方で応募者に不快感を与えやすく、企業ブランドを損なうリスクもあります。実際にSNSが普及した現在では、面接での発言が簡単に拡散されてしまう時代です。
そのため採用面接では、応募者の能力や価値観を見極める意図があったとしても、質問の内容や伝え方には十分な配慮が必要だと言えるでしょう。
まとめ|採用面接の注意点
採用面接において重要なのは、応募者の能力や適性を見極めると同時に、企業としての姿勢や価値観を伝えることです。
圧迫面接のように過度なプレッシャーを与える質問は、候補者が本来の能力を発揮できなくなる可能性があります。また、面接官と応募者の間に信頼関係が築けないまま選考が進んでしまうため、企業に対する印象も悪くなりがちです。
特にSNS時代では、面接でのやり取りが外部に広まり企業イメージに影響を与えることも珍しくありません。企業にとって採用面接は単なる選考の場ではなく、採用広報の一部でもあります。
そのため企業側は、応募者を追い込む質問や答えにくい状況を作るのではなく、能力や価値観を引き出すための質問や対話を意識することが大切です。面接の雰囲気や質問の仕方ひとつで、企業の印象は大きく変わります。
候補者が安心して自分の考えを話せる環境を作ることこそ、結果として企業にとっても良い採用につながると言えるでしょう。

