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採用募集における給与表記の問題と正しい広告表現
求人広告で最もクレームが多いのが「給与に関する記載内容と実際の待遇が異なる」というケースです。記載方法を誤ると、応募者との間に認識のズレが生じ、採用後のトラブルや早期離職の原因になります。
本記事では、採用募集における給与表記の注意点と、トラブルを防ぐためのおすすめ広告表現を詳しく解説します。
目次
給与表記でよくあるトラブルと原因
給与トラブルの多くは、情報不足が原因です。
- 原因:みなし残業代や諸手当の内訳が不明
- 原因:試用期間中の給与が明記されていない
- 原因:月収・年収例の条件がわかりにくい
求人広告は法的には「誤解を与える表記」を禁止されていますが、詳細条件の省略は依然として多く見られます。
応募者は求人票の細部を確認せずに応募するケースも多いため、記載不足は誤解を生むリスクが高まります。
雇用形態別の給与広告表現例
正社員・契約社員の例
年俸制
- 年収500万円~(みなし残業40時間含む)
- 月間平均残業時間:50時間
- 賞与:年2回(前年度実績100万円)
- 試用期間:3ヶ月/月給20万円
月給記載例
- 月給26万円~(諸手当含む)
- ※30時間を超える時間外労働分は別途支給
- ※内訳:基本給22万円+みなし深夜勤務手当3万円+営業手当1万円
アルバイト・パートの例
時給1000円~(研修期間3ヶ月/時給950円)
月収例・年収例の記載で誤解を防ぐ
文字数に余裕があれば、月収例や年収例を記載することで応募者の理解が深まります。
正社員:月給23万円(基本給20万円+時間外勤務手当3万円/時間外30時間)
アルバイト:月収8万円(時給1,000円×1日8時間×月10日勤務)
福利厚生の表記は支給条件まで明確に
福利厚生として多くの手当が設定されていますが、支給条件が明記されていない求人広告が目立ちます。
家族手当(第一扶養:月2万円、第二扶養以降:月1万円)
アルバイト向けの早朝・深夜手当も具体的に記載しましょう。
深夜手当:22時〜翌6時/時給1,200円
研修期間の表記は平均または最長期間を
研修期間は勤務日数や経験によって異なるため、最短期間だけ記載するのはNGです。
誤解を防ぐために、平均期間または最長期間を記載します。
また、経験による給与差は以下のように記載すると分かりやすくなります。
未経験:時給1,000円
経験者:時給1,200円
基本的には未経験者の条件を基準に記載し、経験者は別途明記するのが安全です。
面接時の説明で最終確認を
求人広告で詳細を記載していても、応募者が全てを確認しているとは限りません。
求人サイトによっては、詳細ページを開かずに応募できる仕組みも存在します。そのため、面接時に待遇面の条件を改めて説明し、認識のズレを解消することが理想です。
雇用契約書締結の段階で初めて説明すると、トラブルになりやすいので注意しましょう。
まとめ
面接の際に改めて両者間の認識にズレがないか待遇面を説明・提示してあげるのが理想です。
- 手当やみなし残業代は必ず内訳を記載
- 月収例や年収例を提示して具体性を高める
- 福利厚生や研修期間の条件は明確にする
- 面接時にも条件を再確認する
給与表記は、採用活動の信頼性を左右する重要な要素です。これらを徹底することで、応募者との信頼関係を築き、採用後のトラブルを防ぐことができます。