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社会的な注目を浴びるようになった「ブラックバイト」。ブラックバイトとは違法な賃金体系や長時間労働など違法性のあるアルバイトを指します。一部のブラックバイトは求人広告の内容で見分けることが可能です。募集広告で使われていたら注意したいフレーズや法律問題を求人広告事例集としてまとめました。
求人広告・採用関連の法律
1.雇用対策法
求人における年齢制限の禁止などを定めた法律
2.男女雇用機会均等法
職場での男女平等などを定めた法律
3.職業安定法
企業による労働者募集などについて定めた法律
年齢・国籍・性別・地域の限定
年齢や性別、国籍、居住地域など、理由なく応募者を限定する募集は原則禁じられています。どういった内容が限定にあたるのかNGワードをご紹介します。
「限定」にあたる募集原稿のNGワード例
・年齢を限定する「25歳以下まで」
・性別を限定する「男性のみ」「女性限定」
・性別の限定を示唆する「女性歓迎」
・国籍を限定する「日本人のみ」「中国人不可」
・地域を限定する「徒歩で通勤できる方のみ」「埼玉県のみ」
募集だけでなく上記を理由とした不採用は原則禁止されています。「男性は募集していないんだよね」「支給しなければいけない交通費が高くなってしまうから今回は不採用です」といったのは法律で禁止されています。
例外として正当な理由がある場合は性別を限定して募集することが認められています。いくつかのパターンがありますが例えば銭湯で女性浴室での清掃がある場合は風紀上の理由から女性限定で募集することが認められます。
外国人不可とするのはできませんが接客業において日本語が全くできない人は業務に支障がでます。その場合は「日本語の日常会話が可能な方」と国籍ではなく能力の有無で合否を判断することは認められています。
雇用契約書の明示がない企業
法律で雇用契約書(労働条件通知書)は絶対必要です。労働基準法第15条第1項において労働条件を記載した書面交付が義務化されています。雇用契約書は労働条件を記載する書類で、給与以外に勤務時間や休日休暇など基本的な労働条件が記載されていなければいけません。
一般的には「Aさんを時給1000円で雇用することに同意したことを証明するために捺印してください」というやり取りが発生します。もしも面接や勤務初日に「時給は1000円だから口頭だけで充分。書類はめんどくさいから用意していません」と言ってくる雇用主はブラックバイト決定です。
歓迎する人物像での見分け方
ブラックバイトの見分け方として紹介されている「未経験歓迎」は当てはまりません。「未経験歓迎は単純作業で時給が低い」と定義している記事も見かけますが、飲食店やコンビニエンスストア等は未経験歓迎が基本です。
「明るい人歓迎」「元気な方歓迎」など主観的で曖昧な表現をするのはブラックバイト予備軍。ブラックバイトと言わないまでも雇用側の意識の低さが出てしまっており、アルバイトを大切にしない会社である可能性が高いです。
まとめ
雇用側が雇用に関する法律を理解するのは当然の義務ですが、これからは求職者側もお仕事を探す際に法律や知識を知っておくべきです。最低賃金を下回っている求人は街中でもまだ見かけますので見極められるようにしましょう。
ブラックバイトとはセクハラやパワハラも含まれており求人広告だけでは見極められない部分もあります。もしも勤務先がブラックバイトだと感じたら一人で悩まず勤務先を管轄している労働基準監督署に相談してください。
労働基準監督署に申告すれば是正するよう指導してくれます。明らかに法律違反のアルバイトであった場合は掲載されていた求人サイトにも通報フォームが存在しているはずなので連絡しましょう。