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株式会社キャスターから学ぶ働く価値観を説明する意味
会社紹介・注目企業株式会社キャスター(代表取締役:中川祥太)という会社があります。2014年9月設立とまだ3年ばかりの若い会社ですが、『Caster Biz』というオンラインアシスタントサービスを提供しており、評判やクチコミも上々のようです。
この会社はWantedly(ウォンテッドリー)内のブログ機能を積極的に活用しており、更新頻度も高く、文章も上手です。ウォンテッドリー掲載企業の中でもブログ活用が非常に上手な企業だと以前から注目していました。そのブログ記事の中で心に残った記事があります。
キャスターがこうした社内の公式イベントをやらない理由は「社内イベントに時間やお金を会社として使うより、個人に分配し自由に使って欲しい」からです。実際、キャスターの賞与は自分たちが生み出した利益によって決められます。社内イベントや飲み会にはもちろん時間やお金がかかります。
素晴らしい価値観ですね。この記事を読んだときに、これからの時代はこういった価値観が主流になっていくんだろうなと思いました。これが正しいワークライフバランスの考え方だと思います。
最近の就活生や若手社員の意見を聞くと、休日もしくは業務時間外での社内イベント(飲み会)を嫌がる人も多いです。飲み会・歓迎会・達成会・締め会・決起会・BBQ・既婚者限定イベント・子連れイベント・社員旅行・締め会・キックオフイベント・・・などなど多い企業は本当に多いです。
個人的にはビールと日本酒がある場所は好きなのですが、そこで強制力が発生してはいけないと思います。なぜなら社内イベントや飲み会が好きな人と嫌いな人がいるので、誰かが損をする仕組みは好ましくないと思うからです。
その時間やお金を会社が勝手に決めたイベントなどに使うのではなく、結果を出し、受けるべき報酬を得られる人に分配し、それぞれが好きなように使った方が当人たちは嬉しいし、イベントなどやるよりよっぽどモチベーションも上がると思います。
勢いのある営業会社やベンチャー企業の採用ホームページでは「土日にみんなでBBQ」という内容を定番のように見かけます。最近だと運動会も増えてきている印象です。他にも理念研修や社員旅行でのグループワーク研修を積極的に導入する経営者もいます。
大体は経営者が「やりたい!」と提案して始まることが多いと思いますが、これからの時代は様々な価値観があることを認識すべきだと思います。良かれと思って開催していると思いますが、内心は嫌がっていることに気づけなくなってしまうからです。
イベントや旅行では会場を貸し切ったりしているので、人数次第では結構大きい金額が動いていると思います。心の中で「三千円払うなら気兼ねしなくていいメンバーと飲みたい」「こんなことに一生懸命稼いだ会社の金を使うなら給与を上げてほしい」と思っている20代の社会人も多いはず。
特に給与が低い会社・給与が低い社員は、小さい部分で不満が出てしまうので注意すべきだと思います。従業員満足度を上げようとしているのが逆効果になってしまいます。
これからの採用は価値観の情報発信が重要
キャスターの価値観も素晴らしいですが、それをしっかり情報発信できている点も素晴らしいです。採用活動において企業理念・社内環境・福利厚生をアピールできている企業は多いですが、細かい部分の社風や価値観まで公開・発表している企業はまだまだ少ないのが現状です。
これが出来ているのはサイバーエージェントの藤田社長など一部だけだと思います。半期スローガンや、スローガンに込めた想いまで発信・共有している企業って他にいないですよね。改めて藤田社長は凄いことだと感じました。最近はアメブロ更新が止まっていますが、2011年頃まで定期更新できており、多忙な中でよく更新できていたなと尊敬しています。
求職者は飲み会の頻度や強制力の有無を気にしていることが就活サイトや転職サイトで取り上げられています。採用ホームページでは「男女別の平均勤続年数」「管理職に占める女性割合」等のデータや実績を公表する会社が増えましたが、こうした価値観を公表することも非常に重要だと感じました。
新卒採用や中途採用では福利厚生や仕事内容の説明も必要ですが、こうした価値観の説明を詳しく丁寧におこなえると採用のミスマッチは減らすことができます。採用支援会社の立場でも忘れがちになってしまうので注意したいと思います。
ちなみにキャスターの価値観は素晴らしいですが、他社が必ずしも真似しなければいけないとは思っておりません。大切なのはミスマッチを減らす事なので、イベントや飲み会があれば隠さず正直に正確に伝えることが一番大切だと思います。