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SI業界の客先常駐と求人広告の嘘と採用の話
採用手法・採用知識はてな匿名ダイアリーでこんな記事が話題になっていました。企業と労働者の中間にいる求人広告・人材派遣・人材紹介に携わっている企業にとって痛い話です。
その姑息さが目立つのが客先常駐をメイン事業とした企業の存在である。社員数200人以上の規模を誇る独立系企業でも客のセキュリティの都合上、社員を客先に常駐させている事が多く「自社開発」と言っても「客先での開発」になる事がほとんど。(中略)それぐらいは業界研究してる人には既にわかりきったことかもしれない。ただ求人広告に記載する内容が詐欺に近いデタラメを載せる企業が多いので自分が見た事実を元に警告しておきたい。
引用:ここ最近の客先常駐の実情
前後のニュアンスから転職エージェントやハローワークの求人票ではなく、求人サイトの求人広告を指していると推測できますが、求人広告が詐欺に近いと言われており、ショックを受けました。そう思われてしまっているのか…(-_-;)
求人広告では様々な審査基準や掲載ルールがありますが、クライアントの性善説に基づく部分があります。すべてを疑ってしまうと何も進みませんし。。
個人経営の飲食店では営業許可証の提示をお願いする場合がありますが、流石に契約書や入金実績を見せろとまでは言えませんので、大手企業と取引があると言われれば信じています。
求人サイト運営会社もブラック企業や嘘求人を排除する努力はしていますが、そうした事情から最終的には応募者が面接で確認してもらう必要があります。
SES派遣の求人広告と採用活動
ここに書いてある通り、客先常住のエンジニア派遣会社の求人はとにかく不人気です。人手不足のエンジニアと不人気ジャンルの相乗効果で、どんな企業でも苦戦します。求人広告屋としても最高難易度の案件です。
昨年問い合わせがあり、ある会社に伺ったことがありますが、「いまの募集条件や採用予算では応募は集まらないので現時点では求人広告での人集めは諦めたほうがいい」とキッパリ伝えました。
「採用支援をする求人屋の立場で、それ言っちゃう?」と聞かれましたが、無理なものは無理。成功する確率が限りなく低いことや広告費を無駄にさせないためにも伝えたほうが親切だと思っています。
SES派遣の採用を難しくさせている背景に案件次第で状況が大きく変わることや、セキュリティや契約の都合上、求人広告に詳細が書けないため、結果的に漠然とした募集になってしまうことです。差別化ができないのは非常に痛い。
補足すると完全に採用を諦めろと言っているのではなく、まずは採用広報活動やホームページのリニューアルから始めることをおススメしています。これで成功した企業が何社かあります。
採用活動を意識した内容に修正してもらい、採用サイトも制作することで、ようやくスタートラインになると思っています。
SES派遣の求人広告と求職者
求職者の方は求人広告の募集条件を鵜呑みにせず内定後に通知が義務づけられている雇用契約書(労働条件通知書)で確認してもらう必要があります。もちろん求人広告の内容は信頼してほしいのですが、最終的に自分自身でも確認し、自分の身は自分で守ることが大切。
紹介している記事が話題になった理由に多くの人が共感したことが挙げられ「SI業界やSES派遣はどうせ嘘ばっかりだ」みたいな雰囲気が流れており、諦めムードがあります。
もしも求人広告にデタラメな内容が掲載されていた場合は大手求人サイトなら通報ページが存在しているので、そちらに連絡してほしいと思います。
今回の話題は嘘を載せている企業が一番悪いのですが、仲介屋としての責任も存在していると思います。ユーザーに不信感を与えてしまわないように気をつけていきたいと考えさせられた話題でした。