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SES客先常駐はやばい?求人広告の嘘とSI業界の実態を求人広告代理店が解説
採用手法・採用知識はてな匿名ダイアリーで、こんな記事が話題になっていました。
SESや客先常駐を中心とした企業の求人内容について「求人広告の内容が詐欺に近いデタラメではないか」という厳しい指摘が書かれています。求人広告という企業と求職者の間に立つ仕事をしている立場としては、正直かなり耳の痛い内容でした。
もちろん求人広告には掲載審査やルールがあります。しかし実際の運用では、企業から提供された情報をもとに掲載するため、どうしてもクライアントの申告を前提とする部分があるのも事実です。
この記事を読んで改めて感じたのは、SESや客先常駐の求人がなぜ求職者から不信感を持たれやすいのか、そして求人広告が抱える構造的な問題です。
今回は、求人広告に関わる立場から、SESや客先常駐の求人広告が抱える課題や採用活動の難しさ、そして求職者が求人情報を見る際に注意すべきポイントについて考えてみたいと思います。
目次
SES客先常駐はなぜ「やばい」と言われるのか
IT業界では「SESはやばい」「客先常駐はやめとけ」といった意見をインターネット上でよく見かけます。
もちろんすべてのSES企業が問題というわけではありません。しかし求職者の間で不信感が広がっている背景には、いくつかの構造的な理由があります。
例えば
- 実際の仕事内容が求人広告と違う
- 配属される案件によって労働環境が大きく変わる
- 自社開発と書いてあっても実際は客先常駐になる
といったケースがあるからです。
こうした経験談がSNSや匿名掲示板などで拡散されることで、「SES=やばい」というイメージが広がってしまっている面があります。
SESや客先常駐の求人広告が批判される背景
最近、はてな匿名ダイアリーでSESや客先常駐の求人に関する記事が話題になっていました。内容は、SES企業の求人広告が実態とかけ離れているのではないかという厳しい指摘です。
IT業界では客先常駐という働き方がありますが、求人広告では「自社開発」「自社サービス」などの表現が使われることもあり、求職者との認識にギャップが生まれることがあります。こうした背景から、求人広告の内容に不信感を持つ声が出ているのかもしれません。
実際に話題になっていた記事の一部を引用します。
その姑息さが目立つのが客先常駐をメイン事業とした企業の存在である。社員数200人以上の規模を誇る独立系企業でも客のセキュリティの都合上、社員を客先に常駐させている事が多く「自社開発」と言っても「客先での開発」になる事がほとんど。(中略)それぐらいは業界研究してる人には既にわかりきったことかもしれない。ただ求人広告に記載する内容が詐欺に近いデタラメを載せる企業が多いので自分が見た事実を元に警告しておきたい。
引用:ここ最近の客先常駐の実情
求人広告は企業の申告情報を前提に掲載される
前後のニュアンスから転職エージェントやハローワークの求人票ではなく、求人サイトの求人広告を指していると推測できますが、求人広告が詐欺に近いと言われており、そう思われてしまっているのかと少しショックでした。
求人広告では様々な審査基準や掲載ルールがありますが、クライアントの性善説に基づく部分があります。すべてを疑ってしまうと何も進みませんし。。
個人経営の飲食店では営業許可証の提示をお願いする場合がありますが、流石に契約書や入金実績を見せろとまでは言えませんので、大手企業と取引があると言われれば信じています。
求人サイト運営会社もブラック企業や嘘求人を排除する努力はしていますが、そうした事情から最終的には応募者が面接で確認してもらう必要があります。
SES派遣の求人広告が難しい理由と採用活動の実態
客先常駐のエンジニア派遣会社の求人はとにかく不人気です。
人手不足のエンジニアと不人気ジャンルの相乗効果で、どんな企業でも苦戦します。求人広告代理店としても採用難易度が非常に高い案件です。
2017年、ある会社に伺った際に「いまの募集条件や採用予算では応募は集まらないので現時点では求人広告での採用は諦めたほうがいい」とキッパリ伝えたこともあります。
「採用支援をする求人広告屋の立場で、それ言っちゃう?」と聞かれましたが、無理なものは無理。成功する確率が限りなく低いことや広告費を無駄にさせないためにも伝えたほうが親切だと思っています。
SES派遣の採用を難しくしている背景には、案件次第で労働環境が大きく変わることや、セキュリティや契約の都合上、求人広告に詳細が書けないため、結果的に漠然とした募集になってしまうことです。差別化ができないのは非常に痛い。
補足すると完全に採用を諦めろと言っているのではなく、まずは採用広報やホームページのリニューアルから始めることをおすすめしています。これで成功した企業が何社かあります。
採用活動を意識した内容に修正してもらい、採用サイトも制作することで、ようやくスタートラインになると思っています。
SES求人の見分け方
SESや客先常駐の求人すべてが問題というわけではありません。しかし、仕事内容や働き方が分かりにくい求人も存在するため、応募前にいくつかのポイントを確認することが重要です。
まず確認したいのが、仕事内容の具体性です。SES求人の場合、案件によって業務内容が変わることが多いため、求人広告の仕事内容が抽象的になりがちです。「システム開発」「エンジニア募集」といった表現だけでなく、どのような開発工程に関わるのか、どんな技術を使うのかが書かれているかを確認すると判断材料になります。
次に確認したいのが、自社開発と客先常駐の割合です。求人広告では「自社開発あり」と書かれていても、実際には客先常駐が中心というケースもあります。面接では、自社内開発と客先常駐の割合や、どのような案件にアサインされる可能性があるのかを具体的に質問すると良いでしょう。
また、SES企業では案件によって勤務地や労働環境が変わる場合があります。そのため、勤務地の範囲や転勤の可能性、リモートワークの可否なども事前に確認しておくことが重要です。
求人広告だけでは分からない部分も多いため、最終的には面接や雇用契約書(労働条件通知書)で仕事内容や労働条件をしっかり確認することが大切です。求人情報を参考にしつつ、自分でも情報を整理して判断する姿勢が、ミスマッチを防ぐことにつながります。
SES求人を見る求職者が注意すべきポイント
SES求人は案件内容によって働き方が大きく変わるため、応募前に仕事内容や契約条件を確認することが重要です。
求職者の方は求人広告の募集条件を鵜呑みにせず内定後に通知が義務づけられている雇用契約書(労働条件通知書)で確認してもらう必要があります。もちろん求人広告の内容は信頼してほしいのですが、最終的に自分自身でも確認し、自分の身は自分で守ることが大切。
紹介している記事が話題になった理由に多くの人が共感したことが挙げられ「SI業界やSES派遣はどうせ嘘ばっかりだ」みたいな雰囲気が流れており、諦めムードがあります。
もしも求人広告にデタラメな内容が掲載されていた場合は大手求人サイトなら通報ページが存在しているので、そちらに連絡してほしいと思います。
今回の話題は嘘を載せている企業が一番悪いのですが、仲介屋としての責任も存在していると思います。ユーザーに不信感を与えてしまわないように気をつけていきたいと考えさせられた話題でした。
まとめ:SES求人は内容をよく確認することが重要
SESや客先常駐の求人が「やばい」と言われる背景には、求人広告の表現と実際の働き方にギャップが生まれるケースがあることが影響しています。
求人広告には審査や掲載ルールがありますが、企業から提供された情報を前提に掲載されるため、すべてを完全にチェックすることは難しいのが現実です。
そのため求職者は求人広告の内容だけを鵜呑みにするのではなく、面接や雇用契約書(労働条件通知書)で仕事内容や勤務条件を確認することが重要になります。
企業側もまた、求職者に誤解を与えない求人表現を心がけることが大切です。求人広告に関わる立場としても、ユーザーに不信感を与えない情報発信を意識していく必要があると感じました。

