BLOG
ホワイト企業の採用から考える競争倍率と応募者問題
雑記・日記・備忘録東京都のホワイト企業がアルバイト採用と契約社員採用をした時の話を備忘録的にまとめたいと思います。「いい人が欲しいから時給は高めで問題ない」と考えている経営者の会社が、一般事務を含む様々な職種で採用をしました。
高時給でありながら在宅勤務(リモートワーク)可能という大手求人情報サイトの中でも目立つ待遇の良さで募集したところ当然ながら応募者が殺到し、2媒体(有料媒体1:無料媒体1)で募集をかけて一ヶ月半で約100件の応募数が集まりました。
採用難・人手不足の時代にあって羨ましい結果だと思いますが、実際にはそれほど満足感のない感想をもたれていました。実際にどのような応募者が集まったのか選考事情と採用結果を聞かせてもらいました。
採用枠5名
総応募数100件
連絡なし30件
無効応募5件
書類で不合格55名
面接10名⇒採用3名
応募後にメールしても返信がない人が30名、重複応募・質問のみ・選考辞退などで無効応募5名と実質的に選考に入れたのが65名でした。
65名のうち書類選考で55名が不合格。55名の不合格者のうち半分が経験が満たない、スキルが低いで不採用だったとのことです。必須スキル経験に書いているのに未経験の応募者もそれなりにいたそうです。(実質的に候補者として見れたのが65名中30名程度。)
経営者としては最初は応募が集まって嬉しかったそうですが、応募者対応で忙しい割には候補者になりうる応募者が少ないとのことで、満足感はそれほど高くありませんでした。
応募者もダメ元で応募したのかもしれませんが、(応募が全くない企業ならスキルが低くても採用される可能性はあるかもしれませんが)ホワイト企業においてダメ元は通用しません。
これまで採用担当者にはしっかりとした応募者対応を求めてきましたが、今回の企業事例を聞くかぎりでは求職者側も結構いい加減な人が多いと思いました。
最近同じような事例で「人手不足で周囲の平均の2倍の賃金で募集したところ、高い賃金目当てで大借金を抱えた人が多く入社し、賃金2倍だから働く時間は半分でいいやと休む人が続出した」という話が話題になっていました。
よく地方の採用や後継者不足といった採用関連ニュースで「採用に困っているなら時給を上げればいい」「給与を上げればすべてが解決する」というコメントを見かけますが、給与を上げても必ずしも良い人材が集まるとは限りません。
選考で絞れば問題ないと思うかもしれませんが、採用の専任がいない会社にとって応募者対応は結構な負担ですし、さらに候補者になりえない応募者が多いとシャレにならない問題です。
この会社は応募者の書類選考の負担(スクリーニング負担)があまりにも大きいと感じてしまったため、現在も採用継続中ですが書類選考を代行してくれる人材紹介会社に採用手法を変更されました。
応募者の質を上げると言うのは簡単ですが、今回のケースで質を上げるのは不可能な気がします。なぜなら男女比や平均年齢など会社情報、必須スキルや歓迎スキルなど求める人物像を丁寧に書いているにも関わらずミスマッチが生まれているからです。
ちゃんと応募した日に返信もしていたので対応が遅いわけでもありません。応募しているのに返信しないのは何故なのか…。誰か迷宮入りしている難問の答えを教えてくれませんか。
賃金の問題は雇用主と労働者の大きなテーマですが、給与を高くしても給与の高さだけに惹かれてしまい仕事の本質的な部分を見ない人が増えるだけなのかもしれないと思った話でした。