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内定辞退を防ぐ!新卒採用面接官が好印象を与える対応5選
新卒採用の成否を左右するのは、面接官がどれだけ好印象を与えられるかにかかっています。たとえ採用に至らなくても、学生のクチコミやSNSでの発信によって、企業イメージに大きな影響を与える可能性があります。
だからこそ、面接は評価の場であると同時に、企業を知ってもらう場でもあるのです。本記事では、学生に好感を持たれる面接官の対応ポイントを5つに絞って紹介します。
面接官も自己紹介をしていますか?
新卒採用の面接で、学生にだけ自己紹介をさせていませんか?
実は、面接官自身がきちんと自己紹介をすることは、学生との信頼関係を築くうえで非常に重要です。最初に名乗ることで、学生の緊張がやわらぎ、面接全体の雰囲気も大きく変わります。
自己紹介では、所属部署や入社年度、現在の役職や担当業務など、最低限の情報を伝えると効果的です。これにより、学生は面接官の業務領域やキャリアを把握しやすくなり、質問タイムでの内容も具体性を増します。誰なのか、どんな仕事をしているのかが分からないままでは、学生が深い質問をするのは難しいものです。
さらに、学生との共通点に触れられれば、より一層好印象を与えることができます。たとえば「○○さんは陸上部だったんですね。私も学生時代に陸上をやっていたんですよ」といったように、ちょっとした一言が学生との距離を一気に縮めるきっかけになります。こうした親しみのある雰囲気づくりが、学生の本音を引き出しやすくする土台になります。
応募者の名前を自然に呼んでいますか?
面接中に学生の苗字を自然に呼びかけることも、面接官としての印象を大きく左右します。
人は自分の名前を呼ばれると、相手に対して親しみを感じやすくなる心理効果があるため、適切に名前を使うことで面接時の好感度を高めることができます。
名前を呼ばれることで「ちゃんと自分のことを見てくれている」と感じてもらえます。たとえば冒頭の挨拶や、質問の前後でさりげなく苗字を入れることで、学生とのコミュニケーションはより自然で柔らかいものになります。
ただし、あまりに頻繁に名前を呼びすぎると、不自然になったり、逆に違和感を与えたりする場合もあります。大切なのは、学生との信頼関係を築くことを目的に、自然な形で会話の中に名前を取り入れることです。
学生に共感する姿勢が本音を引き出す鍵
就職活動中の学生は、緊張や不安を抱えながら面接に臨んでいます。だからこそ、面接官にはただ評価するだけでなく、学生の言葉に対して共感を示す姿勢が求められます。
「それは大変でしたね」「分かりますよ」「楽しそうな経験ですね」といった共感の一言を挟むだけでも、学生は「自分を理解してくれている」と感じ、心を開いて本音を話してくれるようになります。
このような信頼関係は、面接の質を高めるだけでなく、志望度にも好影響を与えます。反対に「それは違うと思う」「自分ならそうはしない」といった否定的な発言ばかりしてしまうと、学生は萎縮し、企業に対する印象も悪化してしまいます。
特に役員クラスがこのような対応をすると、「この会社には否定的な文化があるのでは」と誤解を招きかねません。その結果、せっかく内定を出しても辞退につながる可能性があります。
面接は評価の場であると同時に、信頼を築く場であることを意識しましょう。学生への共感が、内定辞退を防ぐ第一歩となります。
面接中の表情は企業の印象を左右する
面接中、無表情で履歴書やエントリーシートばかり見ていませんか?
就活生を緊張させてしまう面接官の特徴のひとつが「怖い顔」「仏頂面」と言われています。企業側も選ばれる立場にある以上、面接官の態度ひとつで志望度が大きく変わることを忘れてはいけません。
もちろん、終始笑顔でいる必要はありませんが、話の合間や応対の瞬間に自然な笑顔を見せることで、場の雰囲気はやわらぎ、学生から「この会社の人と一緒に働いてみたい」と思ってもらえる可能性が高まります。
逆に、終始無表情だったり、怖い印象を与えてしまうと、圧迫面接と受け取られ、SNSにネガティブな投稿をされてしまうリスクもあるでしょう。
面接官も選ばれる側として、自分の表情や態度に意識を向けることが重要です。緊張をほぐす笑顔の練習も、面接官としての大切な準備のひとつといえるでしょう。
面接の最後には、学生にしっかりと感謝を伝えましょう
面接の最後に「今日はお越しいただきありがとうございました」と学生にお礼を伝えていますか?
学生が面接に来るまでには、多くの準備やコストがかかっています。履歴書やエントリーシートの作成、証明写真の準備、場合によっては卒業証明書の取り寄せや交通費の負担など、見えない努力がたくさん積み重ねられています。
「来てもらって当然」「入社希望なら当然の準備だ」と考えてしまうと、企業側の意識としては危険です。上から目線の姿勢では、優秀な人材は他社に流れてしまいます。採用競争が激化する今、「この会社は学生や社員を大切にしてくれる」という印象を与えることが何より大切です。
だからこそ、面接の最後には「今日はお時間をいただき、ありがとうございました」「わざわざお越しいただいて感謝しています」と、心からの感謝を伝えましょう。それだけで学生の印象は大きく変わり、企業イメージの向上や内定承諾率アップにもつながります。
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まとめ
採用活動は「お見合い」や「恋愛」にたとえられることが多いように、企業と求職者が互いに見極め合う繊細なプロセスです。その中でも面接官は、企業の第一印象を決める“顔”として、非常に重要な役割を担っています。
売り手市場が続く今、内定辞退が課題となる企業は少なくありませんが、一方で辞退率が極めて低い企業も存在します。その違いは、学生に「この会社で働きたい」と思ってもらえるような、好感度の高い対応ができているかどうかです。
共感を示す姿勢、自然な笑顔、丁寧な自己紹介、そして感謝の言葉。こうした小さな配慮の積み重ねが、採用成功につながる信頼関係を築きます。面接官としての振る舞いを見直し、自らのスキルや感性を磨き続ける姿勢が、これからの採用現場では一層求められていくでしょう。