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高卒初任給30万円時代へ|高校生採用の過熱で見落とされる3つの問題点
キャリア・働き方論
令和の「金の卵」求め、高校生の獲得競争過熱…大卒と同水準の「初任給30万円」の企業も
高校生の就職戦線が空前の「売り手市場」となっている。今春卒業生の求人倍率は4.12倍で過去最高を更新した。令和の「金の卵」を獲得しようと、企業は「給料や待遇アップ」「AIに代替されない仕事」などと売り込んでいる。 「月収30万円!!」。消防設備点検会社「ヨシダ防災設備」(東京都葛飾区)は、そう書かれた紙を貼り出した。高卒者の平均初任給は20万7300円(昨年、厚生労働省調べ)で、1・5倍にあたる高給だ。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/e28ca56187996fe682e25d0dd0ea94ba2831fbc9
一見すると、高卒採用市場が活況なのはポジティブなニュースに見えます。実際、深刻な人手不足が続く中で、高校生人材の価値が改めて見直されていること自体は前向きな変化だと思います。
ただ、採用やキャリア支援に関わる立場から見ると、少し危うさも感じます。特に気になるのは「初任給30万円」といった待遇面だけを前面に押し出した採用競争です。
そもそも初任給だけを切り取って比較する採用活動は、本来大学新卒採用で起きていた問題を、そのまま高校生採用市場に持ち込んでいるようにも見えます。
17〜18歳の高校生は、当然ながら社会経験がほとんどありません。仕事内容の実態、自分にその仕事が合っているか、将来的にどのようなキャリアにつながるのかまで含めて判断するのは簡単ではないはずです。
その状態で給与だけを基準に就職先を選べば、入社後のギャップは高確率で発生します。結果として、早期離職が増える流れは避けられないでしょう。
さらに、日本独特の「1人1社制」も根本的な問題です。大学生であればインターン参加や企業研究、複数企業の比較検討を通じて意思決定できますが、高校生就職はそうではありません。
十分に企業を理解しないまま応募先を決める構造そのものが、ミスマッチを生みやすくしていると感じます。
加えて、今回ニュースで取り上げられていた企業の多くは、建設・設備・製造、運転手といった慢性的な人手不足に悩む業界・職種でした。もちろん社会に必要不可欠な仕事ですが、若年層から人気職種とは言いづらいのも事実です。
だからこそ、給与を引き上げて人を集める条件競争だけでは本質的な解決にはなりません。これは人手不足の解決ではなく、単なる採用の前倒しに過ぎないケースも多いはずです。
本来企業に求められるのは、採用時に魅力的な条件を見せることではなく、入社後にどう育成し、長く活躍できる環境を作るかという視点です。
高校生採用が加熱する今だからこそ「採用できれば終わり」ではないという認識が必要です。
人手不足だから採用する時代ではなく、採用した若手の人生に責任を持てる企業だけが採用すべき時代に変わりつつあるのかもしれません。

