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アルバイトの求人募集で応募がない理由と改善策
有効求人倍率の上昇にともない、アルバイト・パート採用もかつてないほど難しくなっています。
「タウンワークやマイナビバイトに出しても、全然応募が来ない…」と頭を抱えている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。新卒・中途に限らず、非正規雇用の採用難も深刻です。
給与の見直しも重要ですが、まずは「なぜ応募がないのか?」を正しく分析することが欠かせません。特に中小企業では「魅力が伝わっていない」「アピールポイントがずれている」といった、情報設計のミスが原因になっているケースが目立ちます。
本記事では、中小企業にありがちな失敗例と、今すぐ実践できる改善策をわかりやすく解説。働く姿がイメージできる、応募につながる求人情報をつくるための具体的なポイントを紹介します。
目次
求人写真|「応募が来ない求人」にありがちなNG例
会社ロゴやブランドロゴを求人写真として使っていませんか?
これは応募が集まらない求人でよく見かける典型的な失敗です。とくに会社ロゴのみを掲載するのは避けるべき。
ロゴを見て「ここで働きたい!」と感じる求職者はほとんどいません。ブランド認知度の高い有名企業ならまだしも、一般的な企業では働くイメージが伝わらず、応募動機につながりにくいのが現実です。
次に多いのがフリー素材の乱用です。パッと見はきれいに見えても、求職者には「実態が見えない」「信用できない」という印象を与えがち。とくに、あからさまに汎用的な写真を使っていると、応募しても意味がないかもとスルーされる原因になります。
比較的マシな例として「人が写っていない店内写真」がありますが、これも改善の余地ありです。
応募効果を高めたいなら、必ず『人が写っている写真』を1枚以上掲載しましょう。
スタッフが働いている姿が写っているだけで、職場の雰囲気や年齢層、業務内容のイメージが自然に伝わります。実際に「ロゴ写真からスタッフ写真に差し替えたところ、応募数が2倍になった」という事例もあります。
求人広告において写真は、文字以上に情報を伝える重要な要素です。可能な限り、自社オリジナルの写真を活用しましょう。
仕事内容|「何をする仕事か分からない」が応募を遠ざける
もう一つありがちな失敗が「仕事内容の説明が曖昧すぎる」ことです。
たとえば「法人営業」とだけ書かれた求人。どんなターゲットに売るのか?どんな特徴のサービスなのか?まったく伝わりません。中には、ブラック企業を警戒されることを避けるために「営業」というワードすら避けているケースもあり、逆効果です。
求職者が知りたいのは以下のような具体的な情報です。
- 取り扱う商品やサービスの特徴
- 営業スタイル(新規/ルート/テレアポ有無など)
- 担当エリアや営業手法(訪問・オンライン)
- 初回アプローチから契約後の流れまで
これらが不明確なままでは「仕事内容が見えない求人」としてスルーされやすくなります。
アルバイト・パートの募集でも同じです。たとえば「居酒屋ホールスタッフ」とだけ記載されていても「接客」だけで終わらせるのはNGです。
- ドリンクの提供
- レジ打ちや会計業務
- テーブル清掃や閉店作業 など
こうした具体的な業務内容まで書き込むことで、応募者は自分にできそうかどうかを判断できるようになります。「仕事がよくわからない求人」には人は集まりません。仕事内容は、できるだけ具体的かつ丁寧に伝えるようにしましょう。
会社紹介|たった1行では何も伝わらない
求人票において会社紹介が「1行だけ」になっているケースは大きな機会損失です。
たとえば「WEB制作会社です。」とだけ書かれていても、応募者にとっては情報が不足しており、働くイメージがまったく湧きません。最低限、以下の情報は盛り込んでおくと良いでしょう。
- 創業年・事業内容
- 年間売上・従業員数
- 現在の事業の特徴や強み
例:2006年創業、ホームページ制作やコンテンツ企画を行うWeb制作会社です。売上は年間2億円、社員数10名の少数精鋭ですが、業績は好調。今回、さらなる成長に向けて新規メンバーを募集します。
このように少し情報を加えるだけでも、信頼感や企業としての実態が伝わり、応募者の安心感が高まります。
また、飲食店などの店舗型ビジネスでは、店舗紹介もセットで記載しましょう。「店長は30代前半で、スタッフは学生と主婦が半々」「平均年齢は25歳で、男女比は半々」など、働く人の属性や職場の雰囲気が伝わるだけで、応募ハードルはグッと下がります。
福利厚生|当たり前でも立派なアピールポイント
特別な制度がなくても、福利厚生は立派なアピールポイントになります。
「うちは書けるような待遇がなくて…」というのは大きな誤解です。実際には、当たり前と思っていることほど、求職者にとって重要な情報になり得ます。
たとえば、以下のような内容は応募の決め手になります。
- 社会保険の有無
- 制服貸与 or 私服OK
- 更衣室やロッカーの有無
- 休憩室の広さや設備
- シフトの柔軟性(短時間勤務・週1日~OKなど)
- 食事補助・交通費支給・社員割引 など
これらはすべて、応募の決め手になり得る生活に直結した待遇です。
また、ネガティブに見える情報も正直に記載したほうが、ミスマッチを防げます。たとえば「賞与はありません」「完全禁煙の職場です」といった点も、あらかじめ明記しておくことで信頼につながります。
意外と忘れられがちなのが「昇給制度」や「正社員登用制度」の有無。「頑張れば評価される職場」であることを伝えることも、モチベーションの高い応募者を惹きつけるポイントになります。
まとめ|伝え方ひとつで応募数は変わる
今回ご紹介した失敗例に共通しているのは「働くイメージが湧かない」=応募につながらないという構図です。
求人サイトによっては、記載できるテキスト量が豊富な求人媒体もあります。たとえばバイトルは、自由記述欄やPRスペースが充実しています。任意項目だからといって空欄にせず、できる限り埋めて活用しましょう。
求職者は今や『企業を選ぶ側』です。ブラック企業問題も注目されるなかで、待遇や職場環境が不透明な企業は、避けられてしまいます。今回ご紹介した改善策は、アルバイト・パートだけでなく、正社員採用にも応用可能です。
「魅力的な職場なのに、うまく伝えられていない」それだけで機会を逃すのは非常にもったいないことです。少しの工夫と改善で、応募数は確実に変わります。ぜひ、今一度ご自身の求人票を見直してみてください。