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ゼロから始める漫画アシスタントの仕事内容と求人募集方法
採用手法・採用知識最近は漫画アプリで作品を読む時間が増えました。スマホひとつで名作から最新作まで読める時代ですが、ふと気になったのが「漫画アシスタントってどうやって募集しているのだろう?」という疑問です。
アルバイト求人サイトやIndeedで検索しても、いわゆる“漫画家のアシスタント”という求人はほとんど見かけません。背景制作会社やイラスト制作スタッフ、出版社の編集アシスタントなどは見つかりますが、漫画家の制作現場で働くアシスタントは一般的な求人市場とは少し違う世界にあるようです。
そこで今回は、漫画アシスタントの仕事内容と、実際の求人募集方法について調べてみました。
目次
漫画アシスタントの求人はどこで見つかるのか
まず多くの人が試すのが、Indeedなどの一般的な求人検索サイトでしょう。しかし結論から言うと、ここで漫画アシスタントの求人を見つけるのはかなり難しいです。
理由は単純で、漫画アシスタントは専門性が高く、しかも個人事業主である漫画家が直接募集するケースが多いため、通常の求人媒体と相性があまり良くないからです。
実際の募集経路として多いのは、出版社の公式サイトです。連載を持つ漫画家の場合、出版社の編集部ページにアシスタント募集情報が掲載されることがあります。
週刊少年ジャンプやヤングジャンプ、少年マガジン、少年サンデーなどの編集部ページを見ると、作家ごとの募集情報が掲載されていることもあります。
人気作品の募集ページでは、勤務形態や求められるスキル、場合によっては「泊まり応相談」といった表記も見られます。週刊連載を支える現場のリアルが垣間見える部分でもあります。
講談社 月刊少年マガジン編集部
http://www.gmaga.co/newface/9.html
講談社 少年シリウス編集部
http://shonen-sirius.com/sirius/assistant.html
集英社 週刊ヤングジャンプ編集部
http://youngjump.jp/assistant/
集英社 週刊少年ジャンプ編集部
http://www.shonenjump.com/j/mangasho/assi.html
小学館 週刊少年サンデー編集部
https://websunday.net/awards/assistant/
漫画家マッチングサイトという独自の市場
近年では、漫画家とアシスタントを直接つなぐマッチングサイトも存在しています。
代表的なものとして知られているのがGANMOO(がんも)やJ.A.C.(Japan Assistants Club)といったサイトで、商業連載を持たない作家や中堅クラスの漫画家が募集を出すケースもあります。
これらのサイトは無料で利用できる点が特徴ですが、掲載内容を見ていると給与や労働時間が明確でない募集も少なくありません。一般企業の求人のように労働条件が細かく整備されているわけではないため、応募前に十分な確認が必要だと感じます。
漫画アシスタントの求人市場は、いわば独自のコミュニティ経済圏の中で動いていると言ってもいいでしょう。個人運営なのかと思いきや、ラブひな作者の赤松健さんが代表の株式会社Jコミックテラスが運営しているようです。
SNSや紹介経由の採用も多い
さらに調べていくと、作家本人がX(旧Twitter)などで直接アシスタントを募集しているケースも見つかります。
担当編集者からの紹介や、mixiコミュニティで探す方法、過去に投稿歴のある作家への声かけなど、いわゆる人脈採用も珍しくありません。
有名なエピソードとして、手塚治虫氏が若手の才能に直接声をかけた話があります。昔から漫画業界では、良い人材を“見つけに行く”文化が根付いていたことがわかります。今で言えばダイレクトリクルーティングに近い形です。
つまり、漫画アシスタントの求人は「待つ」のではなく「見つけてもらう」側面もある世界だと言えます。
ブラック・ジャック創作秘話
余談ですが、『ブラック・ジャック創作秘話』では雑誌の余白スペースに求人情報を掲載して、1回の応募に200~300応募きたと書かれています。
また雑誌投稿欄の入賞者に名前があった九州の学生を手塚治虫さん自ら電報を送ってスカウトしたというエピソードも。(その学生はのちに銀座鉄道999で有名になった松本零士さんだった!)
ブラック・ジャック創作秘話第2巻では大阪在住の人が書いた絵を気に入って東京に呼び寄せた話もあり、手塚治虫さんは人材発掘と採用活動にかなり積極的だったことが分かります。
漫画家を題材にした漫画
- バクマン
- マンガ家さんとアシスタントさんと
- ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~
- 漫画アシスタントの日常
漫画アシスタントの仕事内容とは
では、実際に漫画アシスタントはどんな仕事をしているのでしょうか。
中心となるのは背景作画やベタ塗り、トーン貼り、仕上げ作業などです。近年はデジタル化が進み、CLIP STUDIOなどのソフトを使った作業が主流になっています。そのため、デジタル作画のスキルは必須に近い状況です。
在宅で作業を行うデジタルアシスタント、いわゆる「デジアシ」という働き方も増えており、リモートワーク可と記載された求人も見かけます。従来の泊まり込み中心の働き方だけではなく、制作体制は少しずつ変化しているようです。
募集において年齢制限や性別制限も見かけましたが、漫画家アシスタントの場合は例外事由に該当するものと思われます。性別制限は原則禁止されていますが、「芸術又は芸能の分野における表現の真実性等の要請がある」場合はOKになります。
漫画も芸術の一部であると認められていますし、同人誌で男性向けや女性向けのジャンルもありますので問題ないのでしょう。
労働環境と給与のリアル
週刊連載を抱える作家の現場では、締切前の労働時間は相当長くなることがあります。漫画アシスタントの仕事はクリエイティブである一方、納期との戦いでもあります。キングダムの求人でも「泊まり応相談」と書かれています(^^;
給与については「労働時間の割に安い」と言われることもありますが、技術力の高いアシスタントは高収入になるケースもあるようです。完全実力主義に近い世界であり、スキルと信頼が収入に直結する構造になっています。
それを考えると月間とはいえブラックジャック・火の鳥・三つ目など同時に8作品ほどを連載していた全盛期の手塚治虫さんは想像を絶する仕事量です。
世間一般では納期を全然守っていなかったエピソードが有名だったそうですが、仕事量を考えると、むしろ光速だったと言えるかもしれません。(事実、書き始めたら天才的に早かったという評価も多い。)
未経験から漫画アシスタントを目指せるのか
未経験から漫画アシスタントになるのは簡単ではありません。ただし、まったく道がないわけではありません。
近年はワンパンマンのようにWeb漫画やSNSで作品を発表し、それが出版社の目にとまりデビューにつながるケースも増えています。漫画雑誌の部数は減少傾向にあるものの、発信の場は広がっています。
作品を公開し続けることが、自分の履歴書になる時代です。漫画アシスタントを目指すなら、まずは作画スキルを磨き、ポートフォリオを持つことが最低条件になるでしょう。
まとめ
漫画アシスタントの求人は一般的な求人サイトにはほとんど掲載されません。出版社公式サイトや専門マッチングサイト、SNS、紹介経由といった独自のルートで動いている市場です。
仕事内容はハードですが、漫画制作の最前線に関われる仕事でもあります。未経験からは厳しい世界ですが、デジタル環境の進化によってチャンスの入口は広がっています。
漫画業界は閉じているようで、実は意外と開かれている世界なのかもしれません。当社ではマンガ好きな企業様を募集しています。

