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面接官がやりがちなNG質問5選|就職差別・法令違反を防ぐポイント
採用手法・採用知識採用面接では、何気ない一言が「就職差別」や「法令違反」と判断されるケースがあります。実際に、家族構成や既往歴などを尋ねたことで行政指導を受けた企業も存在します。
特に現場社員が面接官を担当する場合「会話を広げるつもりだった質問」がリスクになることも少なくありません。
本記事では、採用面接で絶対に聞いてはいけないNG質問・禁止事項を5つの具体事例で解説し、それぞれの問題点と改善方法までわかりやすく整理しています。
公正な採用選考を行い、企業リスクを防ぐためにも、面接官として必ず押さえておきたいポイントを確認していきましょう。
採用面接NG質問の一覧(チェックリスト)
採用面接では応募者の適性や能力と関係のない情報を収集することは、就職差別や法令違反につながる可能性があります。以下のような項目は、原則として面接時に質問してはいけない内容です。
- 家族構成や親の職業
- 思想・信条に関わる質問
- 健康状態(業務と無関係)
- 戸籍・本籍に関する情報
- 不要な個人情報の収集
これらはすべて、本人の適性や業務遂行能力とは直接関係のない情報であり、採用選考において収集することは不適切とされています。
特に現場社員が面接官を担当する場合、悪気なく踏み込んだ質問をしてしまうケースも多いため、事前にNG項目を共有し、面接官全体で認識を揃えておくことが重要です。
家族構成や親の職業を質問
面接で親の職業や家庭環境について質問することは、就職差別につながる可能性があるためNGとされています。
例えば、親の職業を聞いたうえで「〇〇の職業の家庭だと〇〇のような人が多いですね」といった発言は、応募者本人ではなく「家庭環境」で評価していると受け取られかねません。
質問した理由
家庭環境を把握することで、応募者の人物像を推測できると考えたため。
問題点
- 本人の適性や能力とは無関係な情報である
- 面接官の主観や偏見による評価につながる
- 就職差別と判断されるリスクがある
愛読書を質問
趣味の話題から人物像を引き出そうとする意図で、「読書」と回答した応募者に対して「何を読んでいるのか」と深掘りするケースがあります。
質問した理由
趣味を通じて人柄や思考を把握したかったため。
問題点
- 思想や信条、宗教観などに踏み込む可能性がある
- 本人の適性・能力と無関係な情報収集につながる
改善内容
「最近印象に残った経験はありますか?」など、業務に関連する行動や考え方を引き出す質問に置き換える。
アンケート記入を要求
面接時に、家族構成や住宅状況、既往歴などを含む独自アンケートの記入を求めるケースがあります。
要求した理由
履歴書だけでは判断材料が不足しており、より多くの情報を得たかったため。
問題点
- 適性や能力と関係のない情報の収集
- 採用前に収集すべき情報と、入社後に必要な情報の混在
- 応募者に不信感を与える可能性
健康診断書の提出を要求
事務職など業務上の必要性が低いにもかかわらず、面接段階で健康診断書の提出を求めるケースがあります。
要求した理由
健康状態によって業務に支障が出る可能性を懸念したため。
問題点
- 業務遂行に直接関係しない健康情報の取得
- 選考段階で収集すべき情報ではない
注意点
業務上必要な場合(例:高所作業など)に限り、合理的な範囲で確認することは可能です。
戸籍謄本・戸籍抄本の提出
採用決定後であっても、戸籍謄本や戸籍抄本の提出を求めることは原則として不適切です。
要求した理由
従業員名簿作成のため、氏名や住所などを確認したかったため。
問題点
- 本籍地など、採用に無関係な情報が含まれる
- 差別的取り扱いにつながる可能性
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企業事例:株式会社明治
2021年1月、大手食品メーカーの株式会社明治の大阪工場(大阪府高槻市)がアルバイトの採用面接で、応募者に体重やウエスト、既往歴などを書面で尋ねていたことが問題視されました。公共職業安定所(ハローワーク)は職業安定法に抵触する恐れがあるとして行政指導を実施。
同社の回答によると身長や体重の質問は「作業着のサイズ確認のため」、既往歴については「小麦アレルギーを持たれている方への対策」とのことでしたが、面接段階での情報収集としては不適切であり、質問方法にも配慮が求められます。
作業着は採用後またはMやLのサイズのみの質問票にする配慮が必要です。既往歴は雇入時健康診断で把握する、または質問目的を明確にして「弊社作業ラインでは小麦を含む食材を扱いますが、アレルギーは大丈夫ですか」などといった質問に変更する必要があります。
まとめ
株式会社明治の事例のように、差別的な意図がなかったとしても、質問の内容や聞き方によっては「就職差別」や「法令違反」と判断される可能性があります。面接官の何気ない一言が、企業リスクにつながることを常に意識しておく必要があります。
実際の面接現場では、会話を広げる目的で踏み込んだ質問をしてしまいがちですが「業務に関係のない情報は聞かない」という原則を徹底することが何より重要です。特に人事部以外の社員が面接を担当する場合は、事前にNG質問を共有し、認識を揃えておくことが欠かせません。
また、面接は応募者を見極める場であると同時に「企業が見られている場」でもあります。質問内容や言葉遣い、態度ひとつで企業の印象は大きく左右され、応募辞退やブランド毀損につながる可能性もあります。
公正な採用選考を行うことは、単なるコンプライアンス対応ではなく、企業価値を守るための重要な取り組みです。本記事で紹介したNG質問と改善ポイントを参考に、誰が面接官を担当しても適切な対応ができる体制を整えていきましょう。

