BLOG
喫煙者の不採用宣言から考えるタバコと求人広告の話
雑記・日記・備忘録ある企業の社長がツイッターで「喫煙者は一切採用しない」と宣言し、賛否両論が巻き起こりました。過去には星野リゾートが「喫煙しないことを誓約しない限り応募できない」という方針を掲げ、大きな話題になったこともあります。
「なぜニコチン依存症の社員だけを企業は優遇するのか」という問いは、健康経営や企業文化の観点から一定の説得力を持ちます。実際、製薬会社やスポーツクラブ運営企業など、採用時に喫煙の有無を確認する企業も存在します。
社会全体が禁煙へと舵を切るなかで「喫煙しないこと」を企業価値や行動規範の一部と位置づける企業が出てきているのは事実です。では実際に「喫煙者は採用しない」と明言している企業はどれほどあるのでしょうか。
求人広告上で「喫煙」はどれほど語られているのか
「なぜニコチン依存症の社員だけを企業は優遇するのか」とアルコール依存症の社員が主張したら、従業員食堂の横に社員用のバーを設置するのでしょうか。ニコチンが切れて集中できないという状況は、アルコールが切れて手が震えるという状況と差はありません。
あなたはたばこを吸いますか?-星野リゾート採用サイト
http://recruit.hoshinoresort.com/tabacco/tabacco.html
製薬会社のファイザーやスポーツクラブ運営のセントラルスポーツも採用時に喫煙の有無を確認しているそうです。世の中全体が禁煙に動いており、禁煙が企業文化や行動規範の一つと認識され始めてきていると思います。
主要な求人サイトで「喫煙」とフリーワード検索してみると、ヒット件数は全体の0.5%~1%前後にとどまります。しかもその多くは「喫煙室完備」「完全分煙」「オフィス内禁煙」といった職場環境の説明であり、「喫煙者は不採用」と明確に打ち出している企業はごくわずかです。
分類すると、企業のスタンスはおおよそ次の3つに分かれます。
- 「完全禁煙企業」を宣言している会社。
- 「非喫煙手当(禁煙手当)」を設け、間接的に禁煙を推奨する会社。
- 「入社までに禁煙すること」を条件にしている会社。
法的には、採用条件として喫煙の有無を設定すること自体は違法ではないとされています。しかし実際には、明確に不採用を打ち出す企業は全体の0.1%以下と推測され、まだ一握りの存在と言えるでしょう。
本当に注目すべきは「不採用宣言」よりも情報不足
私が気になったのは「喫煙者を採用しない企業が少ないこと」よりも「喫煙環境について何も書いていない企業が大半であること」です。
求人広告では、仕事内容や給与、休日数については細かく記載されます。しかし、職場環境の一部である「喫煙環境」については、ほとんど触れられていません。喫煙所はフロア内にあるのか、ビル共用部なのか、屋外なのか。完全禁煙なのか、分煙なのか。
こうした情報は、すべての企業が書けるはずです。喫煙者側から見れば「働き始めたら吸えなかった」という事態は死活問題になりかねません。
逆に非喫煙者にとっては「職場に強いタバコ臭がある環境」は応募を避ける理由になる可能性があります。つまり、喫煙環境は一部の企業だけの問題ではなく、応募者全員に関わる職場環境情報なのです。
タバコは企業文化を映す鏡
「吸えて当たり前」の時代から「禁煙が当たり前」の時代へ。価値観が変わったからこそ、企業は自社のスタンスを言語化する必要があります。
喫煙可なのか。原則禁煙なのか。健康経営を掲げているのか。それとも個人の自由を尊重する文化なのか。タバコの扱いは、単なる設備の話ではなく、企業文化やマネジメント思想の表れでもあります。
だからこそ、求人広告や採用ホームページで明確に記載することは、ミスマッチ防止という観点でも意味があります。
求人広告は「都合のいいこと」だけを書く場ではない
採用において重要なのは、応募数を増やすことだけではありません。入社後の納得感を高めることです。喫煙環境は、その企業で働く日常に直結するリアルな情報です。
書かない理由はほとんどありません。むしろ、書かないことで不要な離職やトラブルを生む可能性があります。職場環境や会社設備を具体的に書くことは、採用広報の基本です。喫煙の有無も、その一部です。
禁煙を誇る企業も、分煙を徹底している企業も、喫煙可の文化を持つ企業も、それぞれのスタンスを明示すればよいのです。少なくとも「吸えるのか、吸えないのか」は、これからの求人広告において無視できない情報になりつつあるのではないでしょうか。
当社では銘柄は何を吸っているのかレベルまで書いてもいい企業様からのご連絡をお待ちしております。

