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求人サービスとソーシャルログインのデメリットから考える相性
求人広告・求人媒体求人サイトとソーシャルログイン(ソーシャルサインイン)について質問されたことがあったので調査結果と見解をまとめました。
ソーシャルログインとは
ソーシャルログインとは、TwitterやFacebookなどSNSのアカウントと連携してログインできるようになる仕組みを意味します。SNSログイン認証ができるサービスは、Facebook・Twitter・LINE・Yahoo!JAPAN・Google・Instagram・Appleがあります。
別名ソーシャルサインインとも呼ばれますが、Webサイトへのログインや新規会員登録を簡単にするのが導入目的になります。大手求人サイトでどれを実装しているのか比較してみました。
求人サイト一覧
リクナビ2021:なし
マイナビ2021:なし
リクナビネクスト:なし
Green(グリーン):Facebook、Apple
FIDNJOB!:Facebook、Twitter、Github
マイナビ転職:Facebook、LINE、Yahoo!
エン転職:Facebook、Google
@type:Facebook、LINE、Yahoo!
イーキャリア:Facebook、Yahoo!、Google+
ビズリーチ:Facebook、Yahoo!、Google、Apple、Github、LinkedIn
バイトル:なし
タウンワーク:なし
マイナビバイト:なし
フロムエー:なし
マッハバイト:なし
シフトワークス:なし
イーアイデム:なし
クリエイトバイト:なし
転職サイトではソーシャルログインを導入しているサイトが多く、Facebook導入率100%でした。一方でアルバイト系で導入しているサイトはないという極端な結果があらわれました。
上記の転職サイトはIT/WEB系人材が中心なので、ソーシャルログインとの相性が関係していると思います。Githubなんかはエンジニア特化している求人サイトだからこその機能です。
デメリットは開発費用やセキュリティ面が挙げられますが、特に注目したいのが下記の三点です。それぞれ解説していきます。
①メンテナンスコスト問題
②求人サイト必要なデータ多すぎ問題
③データベースぐちゃぐちゃ問題
①メンテナンスコスト問題
ソーシャルログインで対応するSNSプロバイダ側では定期的な仕様変更があるため、継続的なメンテナンスコストが発生します。立ち上げ間もない求人サイトはメンテナンスに労力をかけないほうがいいため、導入しないほうが良いと思います。
ちなみに上場企業のエン・ジャパン運営のエン転職ですらメンテナンスしていないばかりに、ソーシャルログイン機能があるのに使えない時期が2020年にありました。
こうしたブランド損失を防ぐために、メンテナンスが必要な機能は最小限に抑えるべきです。(エン・ジャパンさんは2021年2月段階でソーシャルログインを使わせたくないためか、なぜか会員登録ページをリダイレクト処理しています…)
②求人サイト必要なデータ多すぎ問題
例えばFacebookログイン機能を使えば、氏名+メールアドレスの入力を省略できますが、求人サイトではユーザーの基本情報としてまだまだ入力しなければいけない情報が多いです。性別、住所、電話番号、履歴書、職務経歴書など、ソーシャルログインだけで完結できません。
他サービスのように氏名+メールアドレスの登録だけで「サービスが使える状態になる」なら導入メリットは大きいですが、求人サイトの場合そうもいきません。どうせ応募時に他の項目も入力しなければ使えないならソーシャルログインの恩恵は少ないと言えます。
③データベースぐちゃぐちゃ問題
ソーシャルログインの場合、求人サービス側のデータベースには情報(名前・メールアドレス等)が残りません。将来的にユーザーに利用規約の変更など一斉通知したい場合に「どうすんのこれ?」問題がありました。(他社サービスがどうしているかは謎です。)
まとめ
発案者がデメリット(開発やメンテナンス)に関与しない場合が多いので、デメリットを説明しても理解されないケースがあるのが悲しいところですが…。導入の是非はメリット・デメリットがあるので一概に言えませんが、デメリットにもしっかり目を向けて導入の是非を検討すべきです。
上記の事例を踏まえて「開発に時間と予算をかけてもメリットが小さい」「アルバイト系なら中止したほうが無難」だと回答したことがありました。
追伸
予算に余裕があればフィードフォース社の「ソーシャルPLUS」を検討しても良いかもしれません。簡単実装でき、お金を払う代わりにメンテナンスにも対応してくれます。