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株式会社キャスターから学ぶ働く価値観を説明する意味
キャリア・働き方論
株式会社キャスター(代表取締役:中川祥太)という企業があります。2014年9月設立の比較的新しい会社ですが、『Caster Biz』というオンラインアシスタントサービスを展開しており、評判や口コミも高く注目を集めています。
同社はWantedlyのブログ機能を積極的に活用しており、更新頻度・コンテンツの質ともに非常に高い水準です。数ある掲載企業の中でも、採用広報の観点で優れている企業のひとつと言えるでしょう。今回は、その中でも特に印象に残った「価値観の発信」に関する記事を取り上げます。
目次
キャスターが社内イベントを行わない理由
キャスターがこうした社内の公式イベントをやらない理由は「社内イベントに時間やお金を会社として使うより、個人に分配し自由に使って欲しい」からです。実際、キャスターの賞与は自分たちが生み出した利益によって決められます。社内イベントや飲み会にはもちろん時間やお金がかかります。
出典:キャスターが社内イベントを行わないたった1つの理由
https://www.wantedly.com/companies/cast-er/post_articles/69281
この考え方は、従来の日本企業とは大きく異なる価値観です。会社主導でイベントを用意するのではなく、個人に報酬として還元し、それぞれが自由に使えるようにする。このような仕組みは、現代のワークライフバランスや多様な働き方に非常にマッチしています。
社内イベントは本当に必要なのか?
近年、就活生や若手社員の間では、業務時間外の社内イベントや飲み会に対してネガティブな意見も増えています。歓迎会や達成会、社員旅行、BBQ、キックオフなど、多くの企業が当たり前のように実施していますが、全員がそれを望んでいるわけではありません。
もちろん、コミュニケーションの場として価値があるケースもあります。しかし、そこに「暗黙の参加強制」が発生した瞬間に、それは福利厚生ではなく負担になります。イベントが好きな人もいれば、そうでない人もいる以上、一部にとってのメリットが他の誰かのストレスになる構造は避けるべきです。
会社主導のイベントより「個人への還元」を重視
その時間やお金を会社が勝手に決めたイベントなどに使うのではなく、結果を出し、受けるべき報酬を得られる人に分配し、それぞれが好きなように使った方が当人たちは嬉しいし、イベントなどやるよりよっぽどモチベーションも上がると思います。
出典:キャスターが社内イベントを行わないたった1つの理由
https://www.wantedly.com/companies/cast-er/post_articles/69281
この考え方は非常に合理的です。会社が一律で価値を決めるのではなく、個人に選択権を委ねることで満足度を最大化する設計になっています。
会社の善意が逆効果になるケース
多くの場合、社内イベントは経営者や上層部の「良かれと思って」の意思で始まります。しかし、価値観が多様化している現代において、その善意が必ずしも全員にとってプラスになるとは限りません。
実際、「その費用を給与に回してほしい」「自由に使える時間の方が価値がある」と感じている社員も少なくありません。特に給与水準が高くない場合、小さな不満が積み重なり、結果的に従業員満足度を下げる要因にもなります。
これからの採用は価値観の情報発信が重要
キャスターの取り組みで特に優れているのは、「価値観そのものを発信している点」です。企業理念や福利厚生を説明する企業は多いものの、日々の働き方や意思決定の背景にある考え方まで公開している企業はまだ多くありません。
求職者が知りたいのは、制度だけではなく「この会社でどんな働き方が求められるのか」というリアルな情報です。その意味で、価値観の言語化と発信は採用において極めて重要な要素になっています。
飲み会・イベントを負担に感じる若手が増えている
実際に、転職サイトや就活サイトでも「飲み会の頻度」「参加の強制力」などを気にする求職者は増えています。従来のような数値データ(勤続年数や男女比)に加えて、こうした“働き方のリアル”を伝えることが、応募の質を高めるポイントになっています。
価値観の可視化が採用ミスマッチを防ぐ
採用において最も避けるべきはミスマッチです。そのためには、企業側が自社の価値観を正直に伝えることが不可欠です。
イベントが多い会社であればそれを隠さず伝えるべきですし、キャスターのように個人重視の文化であれば、それを明確に打ち出すべきです。重要なのは「正解の価値観」ではなく、「自社に合う人材を引き寄せるための情報開示」です。
まとめ|重要なのは「価値観を正しく伝えること」
キャスターの事例から学べるのは、制度や施策ではなく「価値観の伝え方」です。どんな働き方が正しいかではなく、自社の考え方をどれだけ具体的に言語化し、発信できているかが採用成功を左右します。
これからの採用では、待遇や条件だけでなく「どんな価値観で働く会社なのか」を明確にすることが求められます。それが結果として、ミスマッチのない採用につながっていきます。

