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年間休日を隠す企業は危険?新卒採用で情報公開しないとブラック認定される理由
採用手法・採用知識採用活動において、企業の情報発信や情報公開はますます重要性を増しています。
とりわけ人生の大きな選択となる新卒・中途採用では、求職者は「ブラック企業を避けたい」という意識が強く、企業の開示情報をこれまで以上に慎重に見極めています。
そんな中、先日ある就職活動に関する意見が目に留まりました。
年間休日数が書いてない場合は120以下と判断して構わない。年間休日が少ないということは、従業員の稼働時間を多くしないと儲からない利益率の低さだったり、社員の休暇に不寛容な社風だったり、とにかくネガティブな要素しかない。
これは、ある社会人が就職活動中の学生に向けて語った企業選びの基準の一つです。
ここで注目すべきは、年間休日の多い・少ない以上に「情報が公開されていない=何かを隠しているのではないか」と受け取られてしまう点です。実態に関わらず、情報非公開というだけでブラック企業と判断されてしまうリスクがあるのです。
一見すると主観的で極端な意見にも思えますが、やり直しのきかない就職活動において学生が慎重になるのは当然です。「書いていないのは、あえて書けない理由があるのではないか」と疑う心理は、むしろ自然なものと言えるでしょう。
実際、就活生が気にしているポイントは多岐にわたります。男女比や年齢構成、退職率、仕事内容、年間休日、残業時間など、あらゆる角度から企業を比較しようとしています。
しかし、退職率などの重要な指標を公開している企業はいまだに少なく、求職者が適切に比較できない状態が続いているのが現実です。
さらに言えば、情報が不足している背景には、単なるリソース不足や優先順位の低さもあります。人事部が採用サイトの運用に十分な工数を割けていなかったり、そもそも求職者が何を重視しているのか把握できていなかったりするケースも少なくありません。
こうした「無意識の情報不足」もまた、機会損失につながっているのです。
採用現場では「そこまで細かく書かなくても問題ないだろう」といった楽観的な判断や、社員・アルバイトが顔出しを嫌がり写真や動画の掲載が進まないケース、さらにはセキュリティ部門から「社内の様子を公開すると情報漏洩リスクがある」と制限されるなど、さまざまな事情によって情報公開が後回しにされがちです。
しかし、こうした『出せていない情報』の積み重ねが、結果として母集団形成の苦戦や、選考途中での離脱、内定辞退といった機会損失につながっているケースは少なくありません。これは新卒採用に限らず、アルバイトや中途採用においても同様であり、日本企業全体として情報開示のレベルはまだ十分とは言えないのが実情です。
実際には、マイベストジョブのように無料で求人掲載できるサービスや、スタンバイ・エンゲージといった無料採用ページ作成ツールなど、環境は整っています。それにもかかわらず、これらの機能を十分に活用できている企業は体感で10%にも満たない印象です。非常に勿体ないといつも感じています。
近年は「採用広報」や「採用ブランディング」といった言葉が広まり、手法や見せ方に注目が集まっています。しかし本質は、見せ方を整えることではなく「会社の魅力だけでなく、不都合に見える情報も含めて正直に伝えること」です。
確かに、ネガティブに捉えられる可能性のある情報を開示すると、一時的に応募数が減ることを懸念する担当者は少なくありません。
ただ、長期的に見れば無駄な応募対応の工数は減り、ミスマッチのない採用につながります。その結果として、内定辞退率や早期離職の改善も十分に期待できるでしょう。
そもそも「マイナス情報」とされる内容も、すべての人にとってネガティブとは限りません。例えば転勤の有無や新卒比率、働き方の特徴などは、求職者によってはむしろ魅力として受け取られることもあります。
だからこそ、企業側の主観で情報を隠すのではなく、判断材料として正確に提示することが重要です。ブラック企業と誤解されないためにも、情報公開の姿勢そのものが問われています。

