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求人広告営業の心得・考え方・営業戦略・商談スタンス
雑記・日記・備忘録ある機会で若手営業職とお話しする機会がありましたが、すべてを伝えきれなかったので、求人広告の新規開拓営業の心得・考え方・スタンスについて追加で説明させていただきます。
いわゆる提案営業(法人営業)であれば当てはまる内容になっていますが、人材業界の中でも求人広告営業にはより刺さる内容になっています。
アポ獲得方法・顧客アプローチ手法
電話アプローチじゃ絶対に担当者に繋がらない(担当部署の電話番号がわからない)企業があるので、テレアポだけでなく、郵送、ファックス、問い合わせフォーム、インバウンドをバランスよく活用しましょう。
上級者になるとセミナーやイベント企画といった手法もあります。また、最新の労働マーケットを分析し、データをまとめたガイドブックを無料配布しつつ、顧客アドレスと担当者情報を集める手法もあります。アンケートを集めたり、資料をまとめたりと結構大変なので、余力があればどうぞ。
それぞれメリット・デメリットがありますが、アポ数を稼ぐならテレアポ一択です。逆にアポ数は稼げないものの効率面ではインバウンド(SEO対策)が最強です。
テレアポ編
テレアポは我慢比べです。
どんな手法でもいいですが、落としたい企業がいるなら粘り強くアタックをかけましょう。
よく「担当者がいないと言われてアポがとれない」と落ち込む営業がいますが、「担当者不在」はラッキーです。一番しんどいのが「もう電話してくるな」と正式に断られてしまうことです。
担当不在は断り文句でも使われるケースもありますが、担当者が電話に出てくれるまでかけ続けることができます。本当に終日外出や会議の連続でいないだけかもしれません(リアルにベンチャーの人事は全然オフィスにいないです)。
「居留守を使われているから無理」「もう電話かけるの止めよ」と自分で勝手に判断しないことです。
テレアポ獲得のノウハウ
電話前に相手のホームページは確認しましょう。社長の経歴や商品サービスは確認していますか。求人広告営業であれば最低でも会社概要と現在の求人情報ページくらいは見てほしいと思いますが、95%くらいは実践できていません。
当社は以前に会社概要ページに従業員1名としっかり記載しているのに「〇〇部門の担当者はいますか?」と平気で質問してきます。一人の会社に部門も何もありません…。
弊社自身、2日に1回は営業電話がかかってきますが「あ、こいつテレアポリストから電話してきているだけだな」という企業はスグわかります。自分勝手な営業をかけてくる人間と会うのは時間の無駄です。
テレアポでは「ホームページを拝見させて頂きました。弊社はSaaS分野の中途採用を求人広告で成功させた事例が豊富な会社です。御社の法人営業の募集を拝見させていただきましたが、御社にもぜひ弊社の求人広告サービスをご提案させて頂きたいです」くらいは言うべきです。
「とりあえず事例を紹介するから会ってください、お時間ください、電話じゃ事例言えません、訪問できないならメールアドレス教えてください」一辺倒のワガママ営業は通用しません。
人材業界ではひたすら架電件数を目標にする組織が多いですが、「数をこなす」やり方だと1件1件が雑になってしまうので「ちゃんとした企業が落とせない」ので注意してください。
問い合わせフォーム編
営業代行業者に任す方法もおすすめですが、自分で対応するならオリジナルの文章を書きましょう。できるかぎりコピペで送らないことです。
文章内に「御社オリジナルの最高の提案を準備しました」的なアピールは大事です。コピペで送るのは営業のサボりです。フォーマットは同じでいいので、1~2行はオリジナルの文章を入れましょう。
また一度送って反応が無い場合、再度アクションが必要になりますが、一ヶ月に1回の頻度で送って大丈夫です。遅くとも3ヵ月に1回は送ったほうがいいです。
問い合わせフォームから連絡をすると「興味があるが忙しい」といった理由でリアクションがないケースがあります。
私は問い合わせフォームを送ったあとに、後追いで電話をして「メール送りましたが見てくれました?」「あぁ見ましたよ」「ありがとうございます。よければ詳細の説明をさせてもらえませんか?今週のご予定いかがですか?」でアポをたくさんとってきました。
採用担当者も忙しいので「興味はあるが連絡するのは面倒」といったケースは多いですよ。
自社集客・インバウンド編
強化すべきは自社ホームページまたはランディングページです。
人材業界はアナログな会社が多く、インターネット集客を軽視しがちですが、ちゃんとやったほうがいいです。感度の高いクライアントは自分で検索して探すからです。
私は2015年当時、求人サービス運営会社で月間150件の問い合わせを獲得していました。サービスの特性もありますが、ビッグキーワードで検索1位になるとこれぐらいは取れます。
多くは顧客が求めている情報が足りていません。最低でも自社サービスの特徴・強み・料金表・他社との比較・よくある質問は説明すべきです。また会社情報も資本金や電話番号、社長の経歴をしっかり記載しましょう。
一方で、最新のSEO対策は複雑で検索エンジンの攻略は高い専門性が必要です。全体としてはアナログな業界ではあるものの、グーグル検索上位は超大手が独占。リクルート、マイナビ、求人ボックス、インディード、パーソルキャリア等の独壇場です。
SEO対策は中途半端にやっても効果はないので、来訪してくれたユーザーが適切に申し込んでくれるようにユーザーインターフェースの改善だけおこなうことをおすすめします。
新規開拓営業の戦術・商談スタンス
アポがとれたら訪問です。新規訪問なら約25%の契約率を目指しましょう。もしも25%以下の場合、アポの質が悪いか、商談自体になんらかの問題があります。
決裁者にアポがとれているか、ニーズのある見込み顧客へのアポになっているか、訪問目的が相手に伝わっているか、ターゲットではない企業に訪問していないか等を振り返りましょう。
訪問:ヒアリング編 浅いヒアリングはするな!
営業未経験の方だと、ヒアリングが不十分なケースが多いです。
ヒアリングは重要ですが、浅いヒアリングはNGです。営業1年未満ならマニュアルに従ったヒアリングでもいいですが、2年目以降なら会話をしながら深い質問をしましょう。
採用担当者に「採用予算はどれくらいですか?」「欲しい人材はどんな人ですか?」なんて一方的な質問は止めましょう。競合他社の広告出稿状況(掲載料金)か採用ホームページを見ればわかります。
究極的には掲載料金がバカ高くない限りは採用予算は絶対にクリアできているはずなので、あまり採用予算を聞く意味がない。
こまかいテクニックですが「応募どれくらい集まっていますか?」と直接聞くよりも「この求人だと応募集まりづらいように感じますが、実際どれくらい反響がありますか?」に言い換えてもいいでしょう。
訪問:スモールトーク編 相手が喜ぶ話題で心を掴め
褒め上手であれ
初めて訪問する場合の名刺交換後のコミュニケーションのことをスモールトークと言います。よく天気や気候の話が無難とされていますが「相手が喜ぶ話題を振る」ことを心がけたほうが良いです。具体的には相手のビジネスまたは社長を褒めましょう。
例文テンプレ「最近関西支社を作られて絶好調ですね」「〇〇のメディアで社長がインタビューされている記事を読みました。あんな大手メディアに取り上げられるなんて凄いですね!」
これをおすすめするのは「興味を持っていますよ」「ちゃんと御社のこと調べてきてますよ」アピールをしてほしいことだけでなく、相手の企業のことを事前に調べ尽くしてほしいのも理由です。まぁ事前準備をやるのは当たり前ですが…
ゴリ押し感が強い営業にはできないテクニックです。意外に人材系でこれが出来ている営業は少ない印象。若い営業職が多いことや、売上プレッシャーで精神的に余裕がないのが原因かなと思います。
お世辞でもいいから褒めましょう。褒める要素を探しましょう。
訪問:クロージング編(新規商談)
否定的な反応は先回りして潰す。
理想的なクロージングは、成約をせまった際に相手に否定的な反応をする材料がない状況です。事前に起こりうるであろう否定的反応を予測し、それを先回りして潰していく活動が不可欠です。
求人広告サービスであれば、新規の求人媒体を検討するうえで応募効果(費用対効果)が見込めるかどうかは絶対に気になるポイントです。採用担当者の中には気になっても質問しない人がいるので、営業側から積極的に説明したほうが良いです。
また、自社サービスの強みを売り込み、勝負の土俵を決めましょう。
私が新規事業で販売していた求人広告サービスは実績もなく、リクルートさんの知名度や集客力には全然適いません。ただ成功報酬型で掲載費は無料だったので、その点だけで勝負をかけていました。
例文テンプレ「応募はあつまりますか?」「正直タウンワークさんよりかは効果は落ちます。でも仮に応募がゼロ件だとしても、ウチは掲載自体は無料なので損はしないですよね?採用予算が潤沢にあればタウンワークさんに100万かけたほうがいいです。しかし、採用予算が潤沢でなければ当社を利用したほうが賢明です。他の企業さんはセカンド媒体としてウチを利用されています」
訪問:クロージング編(更新・継続契約)
求人広告で一番楽なのは更新(継続契約)をもらうことです。
しかし、ときにはクライアントに期待してもらったのに応募が集まらず採用が失敗してしまうケースがあります。
営業として失敗させてしまった責任は感じるのは大事ですが、一番ダメなのが営業が怒られるのを怖がってしまい、クライアントに対して必要なアクションをとらないことです。上手くいってないときこそ頻繁に連絡をとらなければいけません。
採用が上手くいかず一番困っているのはクライアントです。「今回ダメでした。ごめんなさい。次こそ上手くいかせる提案をもってきました。これで再チャレンジさせてください」と勇気をもって提案しましょう。
リクナビやマイナビなど大手求人媒体を利用しても上手くいかない難関職種かもしれませんし、不人気の業界かもしれませんよね。給与・待遇が平均より低い可能性もあります。
最近では売り手市場の影響で、本当に採用を成功に導くのが難しいです。リクルートにお願いしても失敗することなんて五万とあります。やるべきことをやって、上手くいかなかったのなら仕方ない。気にし過ぎないことです。
再訪問:セカンドアクション編
一度提案したけれども失注になってしまった場合のセカンドアクションは難しいです。
定期的に割引キャンペーン情報を展開したり、広告プロモーション展開を案内したりしましょう。個人的にはメールで案内し電話で十分だと思っています(わざわざ時間をもらって案内するほどではない)。
どうしても訪問したい場合、販促グッズ(ノベルティグッズ)が効果的です。人材業界では卓上カレンダーがオーソドックスなツールとして普及しています。1社につき何十個もらっても活用できるからです。逆にボールペンや団扇は微妙です。
食べ物系(うまい棒やキットカット)も喜ばれますが、1日で無くなってしまうので、1年間は使われる(目にする)卓上カレンダーが最強説があります。
過去には折り畳み傘(インディード)、カレー、シール、マグネット磁石といったノベルティをもらった経験がありますが、卓上カレンダーが一番使い勝手が良かったです。
ただ在宅勤務(リモートワーク)が増えた令和の時代においてはオフィスで利用するモノより、自宅で利用するモノも有効だと思います。
求人広告営業の心得・考え方
エレベータートーク
自社商品サービスを30秒で説明できますか?
サービス説明からクロージングまでを30秒でできるかチャレンジしてみましょう。
もしも説明できないなら商品サービスの特徴を理解できていません。実際の商談でも伝えるべきポイントが整理整頓できていないので応用ができていないでしょう。
成功・失敗事例の反省とキラートークの共有
振り返りをおこない自分なりの勝ちパターンを見つけてください。
商談毎に振り返りを必ずしましょう。頭の中だけでもいいです。良かった点や悪かった点を反省し、次の商談に生かすようにしましょう。毎週・毎月のノルマに追われて本来やるべき振り返りが適当な会社は多いです。
ロープレも大事ですが、それよりもキラートーク(成功事例)の共有を重要視しています。
例えば「本当に効果あるの?」「過去に失敗した」ネガティブな質問や否定的な意見に対しての上手い切り返しトークは重要です。
ポイントはセールストークの引き出しをたくさん作っておくことです。セールストークの引き出しが多ければ多いほど、商談成功率は上がります。
営業はポジティブであれ
多くの失敗と成功を繰り返すことで営業としてレベルアップします。最初は上手くいかないのが普通です。そこで「きつい」「しんどい」と諦めずに頑張った先にトップセールスの道が拓けます。
営業職は何パターンかに分類されますが、私は知識とロジカルな企画立案で勝負するタイプです。人それぞれ個性があるので、売り方も営業マンの数だけあります。自分にあった売り方を早く見つけましょう。
売れない日が続くとネガティブになってしまい、ますます負のスパイラルになってしまいますので、意識的にポジティブになりましょう。自分のサービスは絶対に顧客の役に立つと自信をもちましょう。
勢いのある営業になれ!最後は気合いと根性!
まとめ
求人広告の新規開拓営業の考え方やテクニック論をまとめましたが、実は基本的なことしか書いていません。しかし、言うは易く行なうは難し。完璧に実践できている人間は少数です。
新規開拓営業は良い意味で図太さが必要です。そして常に顧客の期待に応えたいという気持ちを持ちましょう。商談の最後に「自分は求人広告のプロだから安心して任せてください」と自信をもって言わなければいけません。
営業職は何パターンかに分類されますが、私は知識とロジカルな企画立案で勝負するタイプです。人それぞれ個性があるので、売り方も営業マンの数だけあります。基礎を習得した上で、自分にあった売り方を模索しましょう。
自己流の勝利の方程式を作りましょう!