BLOG
採用活動での奨学金返還支援(代理返還)制度の活用メリット
雑記・日記・備忘録奨学金の返済に苦しんでいる社会人のニュースを見ました。25歳の女性が手取り14万円なのに返済しなければいけず、金銭的負担が非常に大きいと語られていました。
ネット上では「手取り14万円の仕事に就くのがいけない。今は企業の初任給や給料等の情報は調べればわかる。」「借金して大学行って手取り14万円しかもらえない企業に就職して嘆くのは甘え」といった意見があり、やや自己責任論的な意見が強かったです。
個人的には、手取り14万円の仕事なんて辞めて違う会社に転職したほうがいいと思いつつも、奨学金の返済があるから手取り額が低い地方公務員といった働き方を選択しづらいのは可哀想とも思いました。
独立行政法人日本学生支援機構の調査によると、学生348万人のうち127万人(37%)が日本学生支援機構の貸与奨学金を利用しているそうです。つまり127万人が奨学金の返済に悩んでいるとも言えます。
さらに、労働者福祉中央協議会が実施した「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」によると、奨学金の平均借入総額は324万円、借入総額が500万円を超える人は12%にものぼることが明らかになりました。
社会人になっていきなり500万円の借金はきついです。皆さん10年~20年かけて返済しているとのことで、中には自己破産する方もいるようです。奨学金の返済(教育費の負担軽減)は大きな社会問題と言えます。
そうした社会情勢を受けて、給付型奨学金といった選択肢が増えただけでなく、企業としてもサポートできる仕組みが生まれました。
2021年4月より、奨学金返還支援(代理返還)制度という名称で企業から日本学生支援機構に直接送金できるようになりました。簡単に言えば企業が代理で奨学金を借りた人に代わって奨学金を返すことができる取り組みです。
これに伴い奨学金返還支援(代理返還)制度を導入する企業が増えることが予想されます。
求人メディアの求人数
奨学金返還支援(代理返還)制度について調べました。調べ方は「奨学金返還支援」でフリーワード検索(2023年2月15日時点)してみました。
- リクナビ2024:99件
- マイナビ2024:36件
- キャリタス就活:4件
- リクナビNEXT:38件
- マイナビ転職:19件
- エン転職:3件
- doda:91件
導入企業:株式会社ノバレーゼ、株式会社アシロ、株式会社コロワイド、アースサポート株式会社など
※転職サイトでは同一企業の求人が複数掲載されているため、企業単位では上記の数字よりさらに少なくなります。
上記の調査結果から、敏感な企業はすでに導入しているものの、現段階では導入企業は極めて少数であることがわかります。リクナビの結果から考えると平均して各都道府県に2社程度しか導入していないことになります。
逆に言えば、この制度を活用すれば非常に目立つことができます。母集団形成としても活用できますし、内定承諾を得るための武器にもなります。
奨学金返還支援(代理返還)制度だけで就職先を決めることはしないと思いますが、複数社の内定獲得後の判断軸として支援制度があることが最後のプッシュになりうると考えられます。
選ぶ立場から選ばれる立場になった売り手市場において「福利厚生が手厚い」イメージを学生や若者に与えることができるので、求人広告屋の立場からしても求人企業におすすめの施策です。
東京都足立区は最大3600万円の給付型奨学金を創設するなど、東京23区内でも子育て支援策を打ち出す自治体が増え始めました。
企業にとっては優秀な学生を確保できるチャンスですし、学生にとっては借金返済を気にせず安心して働けるので双方がメリットを得られる制度だと思います。これから積極的に活用してみてはいかがでしょうか?
参考:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kigyoshien/index.html