BLOG
アルバイトはスポットワークに置き換わる?固定バイトが不可欠な理由
飲食店オーナーとの商談で最近増えているのが「スポットワークって本当に使えるの?」「求人媒体は全部置き換わってしまうのでは?」という質問です。
確かに、タイミーやシェアフルに代表されるスポットワーク(単発バイトマッチングサービス)は、ここ数年で急速に広がり、多くの飲食店や事業者が実際に導入しています。
しかし結論から言えば、スポットワークは飲食店におけるアルバイト採用を完全に置き換えることはできません。便利な反面、固定アルバイトの存在がなければ店舗運営は安定せず、結局「補助的な役割」にとどまるケースが大半です。
本記事では、飲食業界におけるスポットワークのメリット・デメリットを整理し、なぜ固定アルバイトが不可欠なのかを求人広告代理店の立場から詳しく解説します。
目次
スポットワークとは?なぜ飲食店で注目されるのか
スポットワークとは、アプリを通じて単発・即日勤務のスタッフを募集できるサービスです。代表的なものにタイミー、シェアフル、スキマワークス、スポットバイトルなどがあります。
飲食店にとってスポットワークが注目される理由は大きく3つです。
- 急な欠員を即座に補える
- 求人媒体よりもスピーディに人が集まる
- 短期イベントや繁忙期に柔軟に対応できる
この利便性から「これからはアルバイトを募集せず、スポットワークだけで十分では?」と考えるオーナーも出てきています。
固定アルバイトとスポットワークの違い
一見すると「人が来てくれれば同じ」と思われがちですが、固定アルバイトとスポットワークには大きな違いがあります。
- 固定アルバイト:長期的に勤務し、教育コストをかけることで即戦力化。シフトの安定要員となる。
- スポットワーク:短期的に穴を埋める存在。基本的にその日限りの関わり。
つまり、スポットワークは緊急時の人材確保には役立つが、日常的な戦力としては不十分なのです。
飲食店がスポットワークに全面依存できない理由
店舗運営の安定性を支えるのは固定バイト
仕込みや清掃、開店・閉店作業など、毎日のルーティン業務を継続して担うには固定アルバイトが必要です。スポットワークは急場をしのぐには便利ですが、日常運営を安定させる戦力にはなりにくいのが現実です。
教育コストが増大する
飲食店は、注文オペレーションや厨房の動線など覚えることが多い業界です。固定アルバイトなら一度教育すれば長期的に活躍しますが、スポットワーカーは毎回新人のような存在。教育に時間を取られ、逆に負担が増えることもあります。
サービス品質とチームワークが崩れやすい
常連スタッフが多い店舗では、ホールと厨房の連携がスムーズで、接客品質も安定します。スポットワークだけで回そうとすると、その場で役割分担を決め直す必要があり、ピーク時のオペレーションが乱れるリスクが高まります。
採用コスト・労務リスクの問題
スポットワークは「時給+手数料」がかかるため、結果的に高コストになりやすいです。
例えば、時給1200円で応募が集まらない店舗がスポットワークを使うと、実質1400円前後になるケースも少なくありません。
それなら最初から1400円で求人媒体に掲載した方が、長期的に働く人材を確保でき、コスト効率も良いといえます。
スポットワークが有効な場面
ここまでデメリットを解説しましたが、スポットワークが全く不要というわけではありません。特に以下のような場面では有効です。
- 短期イベントや繁忙期の増員
- 皿洗いや仕込み、清掃といった単純作業
- 突発的な欠員の穴埋め
つまり、「日常業務を固定アルバイトで支えつつ、スポットワークで不定期のニーズを補う」ハイブリッド運用が最適です。
スポットワーク利用企業の特徴
実際にスポットワークを利用している企業を見ると、次のような傾向があります。
- 条件の良い案件(駅チカ・高時給)はすぐに人が集まる
- 条件の悪い案件(交通不便・低時給)は応募が来ない
- 大手求人媒体で成果が出なかった企業が「最後の手段」として利用している
逆に言えば、求人媒体で十分に採用できている店舗はスポットワークを積極的に使う必要はないということです。
成功する飲食店の採用戦略とは
飲食業界における採用の最適解は、固定アルバイトで日常運営を安定させ、スポットワークで突発的なニーズを補う「ハイブリッド型」です。
- 求人媒体で長期的に働ける人材を採用する
- スポットワークで急な欠員や繁忙期をカバーする
- 時給設定や待遇改善で応募効果を最大化する
こうした組み合わせを実践している店舗は、採用コストを抑えつつ安定した人材確保に成功しています。
まとめ
スポットワークは便利ですが決して万能な存在ではありません。教育コストやサービス品質を考えると、固定アルバイトは飲食店にとって不可欠な存在です。
スポットワークはあくまで「補助的な採用手段」として活用し、求人媒体+固定バイト採用を中心に据えることが、今後の飲食店採用成功のカギになるでしょう。