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花粉症の採用屋が考える林業求人の実態と仕事探しの問題点
雑記・日記・備忘録4年前から花粉症が発症し、この時期はツライです。気のせいか年々ひどくなっているような…。花粉症に悩む人がよく「日本国内すべてのスギを伐採してくれ」と言いますが、実現するには補助金や国内需要以外の問題に、林業従事者の深刻な減少があります。
総務省国勢調査によれば、1960年には約44万人存在した林業労働者は、2005年には約5万人、2015年には4万5千人となっています。平均所得が全産業に比べ約110万円低い低賃金や、労働災害発生率が全産業の約14倍ある危険性が新規就業者が少ない理由に挙げられることが多いですが、増えない理由は求職者が仕事を見つけづらい要因もあるのでは?と疑問に思います。
林業の仕事内容は木材の伐採(主伐・間伐・除伐・皆伐・択伐)や植林を中心に、重機操作や搬出作業ですが、転職サイト大手のリクナビネクスト・エン転職・マイナビ転職では専門カテゴリが存在せず、フリーワードで調べてみても0件でした。
林業・漁業など一次産業に特化した求人サイトでも全国で5件未満と全く見つけられません。かろうじて造園会社や環境緑化会社の求人が見つけることができる程度です。
私自身、求人広告を約10年間やってきましたが、リフォーム会社や土木関連の職人募集に携わった経験はありますが、林業の求人は一度も携わったことがなく、伝説レベルのレア求人と言えます。
これには林業を営む会社が、田舎の山奥にあるケースがほとんどであり、交通上の問題で行けないことや、企業側もあまり求人広告をかける意識がないことが挙げられます。(おそらく電話営業のリストからも除外されていることがほとんどかと思います。)
林業の仕事探しにはハローワークを利用するしかありませんが、写真もないシンプル過ぎる求人は魅力的とは言えず、且つ求人企業がホームページすらないのが大半です。これでは求職者から怪しいと思われても仕方なく、就職・転職したいと思える10代や20代は現れないと思います。
採用活動にお金をかける意識がなさすぎなのも問題です。ポジショントークに聞こえるかもしれませんが、良い人材を採用したいならお金をかける必要があります。
男性が何もしないまま女性からモテたいなんて言ったら無理だよと誰しもが思うはずです。せめてホームページを作成して魅力を伝えたり、採用ページで労働環境をアピールしたりしてほしいですね。
とはいえ儲かっていない企業も多いようで、地方の深刻な若者不足と相まって求人広告の効果は未知数。危険・低賃金のイメージが強い業種だけに求人広告をだしても応募効果は厳しいことが予想されるため、ハローワーク頼みになってしまう部分も理解できます。
様々な問題がある林業ですが、未経験歓迎で年齢・学歴不問とする企業が多く、採用の間口は広いのが特徴です。働いている人のクチコミや評判を調べると「山菜取り放題」「薪が無料」「割と気楽」といった独特なメリットがあることがわかりました。
肉体労働は健康的だと考える人もいたり、広告表現次第では応募者もいそうです。クマ・ダニ・ハチが大変という現場の声がリアルでした…(^_^;)
現在の植林ペースだと無花粉スギ・少花粉スギに植え替えるのに700年かかるそうですが、一日も早く完了できるように林業の人気が高まってくれることを切に願っています。当社では真剣に採用活動に取り組みたい林業関連の企業様からのご連絡をお待ちしております。
森林ジャーナリスト田中淳夫さんのブログ
https://news.yahoo.co.jp/expert/authors/tanakaatsuo
林業に就職・転職したい方の応援サイト「林業就業支援ナビ」
http://www.nw-mori.or.jp/
厚生労働省委託事業として全国森林組合連合会が林業専門求人情報サイト「林業就業支援ナビ」を運営し、全国各地で林業体験や職場見学などの就業支援をおこなっています。講習会や相談会も定期的に開催しているみたいです。