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フリーター採用のメリット・デメリットや定着率向上のコツ
採用手法・採用知識フリーターとして働くメリットやデメリットについて、正社員との違いや将来のキャリア形成への影響を知っていますか?日本では、自由な働き方を求めてフリーターを選ぶ人も増えていますが、安定性やスキルアップの観点から不安を抱える人も多いでしょう。
本記事では、フリーターの働き方を深く掘り下げ、今後のキャリアを考えるうえで押さえておきたいポイントを解説します。自分に合った働き方を見つけるための参考にしてください。
フリーターとは
フリーターとは、正社員や契約社員ではなく、主にアルバイトやパートなどの非正規雇用で生計を立てる人々を指す言葉です。
フリーターという働き方は、自由な時間を確保しながら、さまざまな仕事に挑戦できるメリットがありますが、安定した収入や社会保障が得にくいことがデメリットとされています。
日本では特に、若者が就職せずにフリーターとして働くことが増えてきた時代があり、バブル崩壊後の不況や新卒採用市場の変化がその背景にあるとされています。
最近では、フリーターから正社員へキャリアアップを目指す人も増えており、そのための支援制度やキャリアコーチングも注目されています。フリーターについて理解を深め、自分のキャリアプランに最適な働き方を見つけることが重要です。
フリーターとニートの違いの違いは?
「フリーター」と「ニート」はどちらも非正規雇用や未就労に関連する言葉ですが、その意味と立場には明確な違いがあります。
フリーターは、主にアルバイトやパートなどの非正規雇用で働き、生計を立てている人を指します。フリーターは労働意欲があり、柔軟な働き方やライフスタイルを求めて非正規雇用を選択することが多いです。
例えば、特定のキャリアを目指す準備期間として働いたり、自由な時間を確保しながら収入を得たりといった理由で、フリーターの道を選ぶ人も少なくありません。
一方で、ニートは、就業もしておらず、教育機関にも在籍していない人々を指します。
ニートは基本的に労働意欲が低い、あるいは事情があって働いていないケースが多く、社会との関わりが少なくなる傾向があります。ニートの背景には、就職活動への不安や、社会復帰が難しい環境といった要因も含まれます。
要するに、フリーターは働きながら収入を得ているのに対し、ニートは働かず収入源もない点が主な違いです。
フリーターとアルバイトの違いは?
「フリーター」と「アルバイト」は似たように使われることがありますが、実際には意味に違いがあります。
フリーターは、主にアルバイトやパートなどの非正規雇用を中心に生計を立てる人を指す言葉です。
一般的に、フリーターは正社員としてのキャリアを持たず、生活の収入源として複数のアルバイトを掛け持ちしたり、長期的にアルバイトを続けたりする人が多いです。
フリーターという言葉には、働き方の選択として非正規雇用を継続的に選んでいる人というニュアンスが含まれています。
一方、アルバイトは「雇用形態」を表す言葉で、短時間・短期間の働き方として位置づけられます。
学生や主婦などが生活費の一部やお小遣い稼ぎを目的に行うことが多く、正社員やフリーターも含め、さまざまな立場の人がアルバイトをすることがあります。
そのため、アルバイトは働く形態そのものであり、職業の継続性や生活の中心かどうかは問われません。
要するに、フリーターは「生活の主な収入源としてアルバイトをしている人」、アルバイトは「働き方の形態」といった違いがあります。
フリーターの採用メリット
フリーターの働く動機はさまざま
時間の融通が利き、即戦力になる可能性が高いです。
フリーターの中にはさまざまなタイプがいます。ゆくゆくはどこかの企業で正社員になりたいという目標を掲げながら働く人や、ミュージシャンや俳優などの夢を追いかけつつ、アルバイトで生計を立てている人、目標も夢もなく、ただなんとなくフリーターを続ける人など、フリーターでいる理由は多岐に渡ります。
フルタイムも可能
共通して言える採用のメリットは、「フリーターは時間の融通が利くので、シフトに多く入ってもらいやすい」ということです。フリーターさえ希望すれば、フルタイムでの勤務も可能なのです。学校に通っている学生や家事をこなさなければならない主婦よりも、自由度において優れていると言えます。
長期に渡り働く傾向にある
また、フリーターはひとつの職場に長くとどまる傾向があり、卒業などで辞めてしまう学生などに比べて長期勤務が期待できます。さらに、アルバイトではあるもののさまざまな職場を渡り歩いてきた経験を持つフリーターもいるので、即戦力になりやすい傾向にあります。
このように、アルバイト採用を考えている雇用者にとってフリーターは理想の従業員です。ニーズが高いため、フリーターは常に売り手市場にあると言えるでしょう。
フリーター採用のデメリット
フリーターを採用する際のデメリットには、長期的な安定性とスキル習得の面で課題が挙げられます。
一般的に、フリーターは短期間で職を変える傾向があり、長期的な育成が難しいため、企業の組織力を高めるうえでの制約となる場合があります。
また、正社員と異なり、職務に対する責任感やモチベーションの面で差が出やすく、特定のスキルや専門知識が求められるポジションでは成長に時間がかかる可能性があります。
さらに、採用・教育コストがかかる一方で、早期に退職してしまうリスクも伴うため、業務の効率化や人材定着率向上を目指す企業にとってはフリーター採用は慎重な判断が求められます。
フリーター活用のポイント
正社員登用の可能性を示す
一人ひとりの「働く動機」を知ることが重要です。
まず、フリーターひとりひとりの働く動機を知る、あるいは動機づけをすることが重要といえます。さらに、フリーターと正社員で差別をすることなく、「努力すれば正社員の道もある」ことを示すのも有効です。
フリーターは、正規雇用を希望してはいるがそれがかなわない「やむを得ず型」、明確な目標(音楽、演劇など)を持った上で生活の糧を得るための「夢追求型」などに分類されます。
このうち「やむを得ず型」は、正社員に近い動機や価値観を持っている「フルタイム志向」であり、アルバイトを選ぶ際に重要視するのは「仕事内容」の場合が主流です。一方、「夢追求型」は「シフト志向」が強く、それに当てはまる勤務先や時間帯を選んで働く傾向にあります。
フリーターを戦力として活用したいのであれば、「時給」「拘束時間」「勤務地」などといった条件以上に、その仕事の持つ意味を理解してもらい、仕事に魅力を感じてもらうことが大切です。
正社員と差別しない
フリーターと正社員とが混在している職場の場合、両者の違いを強調しないほうが良いでしょう。いつ辞めるかわからないからといって正社員だけで重要事項を決めたり、福利厚生などで正社員と明らかな差をつけたりすれば、フリーターのモチベーションが上がることはまずありません。
優秀なフリーターを正社員登用するのも有効であるといえます。正社員登用したフリーターは、すでに一緒に仕事ぶりを見ていることもあり、入社後に仕事面での評価が落ちることはほとんどないでしょう。
そのため、雇用者が負うリスクが少ない採用方法と言われています。また、頑張り次第で正社員になれる、として公正な面接や試験のもとに社員登用をすすめていけば、職場の活性化にもつながっていくでしょう。
フリーターを採用するための募集方法
フリーターの気持ちに寄り添った表現が有効です。
一口に「フリーター」と言っても、その背景は様々です。ご家庭の事情などでフルタイム勤務が難しい方もいれば、学校卒業後に内定を獲得できずフリーターとして勤務する方、将来の夢のためにあえて自ら非正規雇用を望む方…それぞれ理由が異なっているため、有効な訴求方法について悩まれている企業様も少なくありません。
しかし、フリーターの方の多くは「生活費を稼がなければならない」という共通点を抱えています。求人原稿内に収入例や具体的なシフト例を記載した方が良い理由は、雇用主側がその収入・シフトを「保証している」所にあります。
決まった収入を確保できることは、フリーターの方にとって大きな安心感に繋がります。また、シフトや時間帯に融通が利くかどうかも重要なポイントです。店舗の事情によってシフトの変更が難しい場合は「週に5日以上勤務できる方は時給+100円」といった制度を導入するケースも増えています。
それでは具体的に、上記の訴求ポイントを踏まえて原稿案を考えてみましょう。
■求人広告の例文テンプレート――――――――――――
時給○円×8h×週5日×4週間=月収○万円以上可能。
週に4~5日働けるフリーターさんを歓迎しています。
お店としてもそれだけ入って頂ければ正直助かるので…ある程度、時間帯は融通が利くように調整しています。
「基本シフトは9時~17時だけど〇曜日は12時~20時で働きたい」「〇曜日は休みたい」「週5日フルで働きたい」など、あなたのやりたいことや望んでいる生活スタイルを維持できるように、こちら側としても希望に沿う形を取れればと考えているのでまずは一度お話してみませんか?
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このように、雇用主側が原稿上で収入・シフトを保証しつつ、呼びかけるように訴求することで「とりあえず行って話をしてみようかな」という気持ちを抱いてもらうことができます。
大切なのは、ただ条件を緩和するのではなく、その背景にある想いを原稿内で表現することです。正直に書かれた文章は、読み手としても「なるほど」と安心感を持てるものだと思います。
また、もしも身近にフリーターの方がいらっしゃる場合は、実際にお話を伺うと公募で求人する際のヒントになるはずです。