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森喜朗会長の女性蔑視発言から学ぶ職場の不適切発言
雑記・日記・備忘録2021年2月、東京オリンピック組織委員会の森喜朗会長による「女性理事は会議に時間がかかる」という発言が大きな波紋を呼び、世界的な批判の末に辞任へと至りました。女性蔑視発言として炎上し、連日メディアで取り上げられたことは記憶に新しいでしょう。
その後「発言の前後が切り取られている」「発言の真意は全く違っていた」「過熱報道すぎる」という声もありましたが、ひとたび不適切発言と受け取られれば、企業や組織のブランドは一瞬で傷つきます。
これは決して他人事ではありません。採用活動や面接、内定者懇親会の場でも、無意識の一言がハラスメントと受け取られ、内定辞退や企業炎上につながるケースが増えています。
では、採用現場で本当に注意すべき「NG発言」とは何か。どのような言葉が不適切質問やジェンダーバイアスに当たるのか。本記事では、採用担当者・面接官が知っておくべきリスクと対策を整理します。
面接官の不適切発言が招く採用リスク
採用面接では、応募者の基本的人権を尊重することが大前提です。面接時の質問ひとつで、企業の姿勢や価値観は透けて見えます。
人事担当者であれば、公正な採用選考の重要性は理解しているはずです。本籍地や家族の職業・収入、思想信条に関する質問、さらには男女雇用機会均等法に抵触するような内容が「面接NG質問」に該当することも周知されているでしょう。
しかし問題は、現場の社員が面接官を担当するケースです。専門知識を持たないまま面接に同席し、無意識のうちに不適切発言をしてしまうことがあります。不適切発言の多くは悪意から生まれるのではなく「無理解・無知識・無意識」から生まれます。
たとえば「男らしく頑張ってほしい」「女性でも体力は大丈夫?」といった何気ない一言も、ジェンダーバイアス(社会的性差における偏見)に基づく発言として受け取られる可能性があります。発言した本人に差別意識がなくても、応募者にとっては違和感や不信感につながり、内定辞退や企業イメージの低下を招きかねません。
採用ハラスメントが問題視される時代においては「悪気がなかった」では済まされません。面接官に任せきりにするのではなく、何がNG質問にあたるのかを共有し、知識と価値観をアップデートしていくことが企業には求められています。
内定者インターンや内定者懇親会の不適切発言
内定者インターンまたは内定者懇親会での不適切な失言から内定辞退が起きた話を毎年のように聞きます。
現場の社員が「彼氏(彼女)いるの?」「何人と付き合ったの?」と聞くケースが多いそうです。ヒドイときは「モテないでしょ」「童貞ぽい顔してるね笑」と言われた学生もいます。
この話をすると「え?それくらいの質問が問題なの?」「社会人になるとこれぐらい平然と答えないとやっていけないよ」と自身を正当化する人がいますが、もはや時代遅れと言えます。
内定者からすると「まだ入社もしていないのに、なぜプライベートなことを話さなければいけないのか」と不満に思いつつも、立場的に「嫌な質問には答えたくないけど断りづらい」心理になってしまい、不満だけが溜まってしまいます。
結果的に内定者に「この会社の社員は無神経な人ばかりなのか」「会社の雰囲気が合わない」「一緒に働きたくない」とネガティブなイメージを与えてしまい、内定辞退に繋がりやすくなります。
学生インターンに対しても配慮が必要です。学生インターンは現場の社員と一緒に働くケースが増えていますが、現場の社員に教育を丸投げするのではなく「あくまでも大学生だから、発言には気をつけるように」と一言伝えるだけで違います。
まとめ|採用現場の「一言」が企業ブランドを左右する
企業のイメージは、広告よりも現場の一言で簡単に崩れてしまいます。面接での不適切発言や内定者懇親会での無神経な質問は、内定辞退やSNSでの炎上につながり、採用活動全体に大きなダメージを与えます。
だからこそ、面接官任せにせず、採用ハラスメントやNG質問に関する研修を徹底することが重要です。すべての面接官に専門知識を求めるのが難しい場合は「面接NG質問マニュアル」やチェックリストを事前に共有するだけでも効果があります。ペライチの簡易資料でも構いません。事前の意識づけが、リスク回避につながります。
森会長の発言問題は、特別な立場の人だけに起こるものではありません。採用の現場でも、無意識の一言が不適切発言と受け取られる時代です。今一度、自社の面接や懇親会での言動を見直し、採用活動をリスク管理の視点から再設計することが求められています。

