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日本の求人プラットフォームが抱える課題と解決策
雑記・日記・備忘録異業種の方から求人プラットフォームの課題とは何か?と質問され、考えたのちに出した結論は「求人プラットフォームに課題はない」でした。
質問の背景としては、様々な社会課題に対して求人プラットフォームで解決できないか?というのがあり、既存のプラットフォームの課題について質問されました。
そもそもが課題ありきの質問になっていることに違和感がありましたが、異業種の方からすれば人材業界・雇用市場は課題が山積みのように思われるのかもしれません。
課題はないと言ったものの、さらに考えると「課題は沢山あるけどプラットフォームでの解決は無理じゃね?」と思ったので、より丁寧に解説したいと思います。
求人プラットフォームとは
求人プラットフォームとは、人材ビジネスの共通の土台(基盤)となる標準環境を意味します。わかりやすいのは求人サイト(企業と求職者をマッチングさせるビジネスモデル)になります。
人材紹介サービスも広義では求人プラットフォームに含まれます。より正確な呼称は求人広告プラットフォーム、人材紹介プラットフォーム、人材マッチングアプリで区別できますが、今回は求人広告プラットフォームを中心にした話になります。
求人広告プラットフォーム
日本国内の代表的な求人広告プラットフォームをまとめます。
アルバイト領域ではバイトル、タウンワーク、マイナビバイト。派遣領域ではリクナビ派遣、マイナビ派遣、エン派遣、はたらこねっと。転職領域ではリクナビネクスト、マイナビ転職、エン転職、デューダ、ビズリーチです。
全方位としてアグリゲーションサイトのインディード、求人ボックスが代表的な求人プラットフォームになります。
ここにグリーン、ウォンテッドリーなど職種や業種特化の求人プラットフォームも含めると国内だけでもたくさんの求人プラットフォームがあります。
人材紹介プラットフォーム
上記で挙げたのは求人広告プラットフォームで、リクルートエージェントやマイナビエージェント、パソナキャリア、リクルートダイレクトスカウトといった人材紹介データベース(人材マッチングプラットフォーム)もプラットフォームの一種です。
日本の労働市場が抱える問題点
日本の労働市場は様々な問題点を抱えています。
いまだ大卒の離職率30%、非正規社員(アルバイトや派遣社員)の増加、低収入、ブラックバイト・ブラック企業問題、外国人労働力など雇用に関する問題は尽きません。
そうした問題に対してプラットフォームの仕組みで解決できるのが理想ですが、一方でプラットフォームで解決できる問題なのか?との疑問が浮かびます。
例えば低収入は採用企業の問題であり、労働者の問題とも言えます。また、日本全体の経済成長率の問題とも言えます。プラットフォームの課題というのは大きすぎる問題です。
求人プラットフォームのブラック企業対策
離職率やブラックバイトに関してはプラットフォーム側で審査を厳しくすれば解決できますが、ホワイト企業だけを対象に、ビジネス展開するのは非常に難しいと言えます。
ユーザーや掲載企業に関しては法律面を含め一定のルールを守ってもらい、あとは個社単位で守ってもらっているのが現状です。
究極的には中学生が嘘ついて高校生と偽り雇ってしまった労働基準法違反の問題を求人プラットフォーム側に責任をおしつけるられても困るでしょう。解決するには会員登録する際に身分証を提出させる等の高い登録ハードルを設定するしかありません。
クレーマー問題や、嘘の求人情報を掲載する企業とかもいますが、プラットフォーム側で見破るのも限界があります。さすがに掲載審査として従業員の給与明細を見せろとは言えません。
求人プラットフォームの応募の質の問題
社会課題ではありませんが、現在の求人プラットフォームが抱えている課題として「応募の質(有効応募数)」が挙げられます。解決策とともに詳しく解説します。
①重複応募を減らす
求人サイトで10件応募があっても、面接に繋がるのは半分以下のケースが多々あります。お金を払っている求人企業にとって深刻な問題であり、一番嫌がる問題です。中には「応募者対応の手間がかかる分、応募がないより厄介」という人もいます。
求人プラットフォーム側で改善できる点としては、気軽に応募させないことです。とはいえ応募数を減らすのは避けたいので難しい選択です。
②求人原稿で応募者の質を上げる
より具体的に仕事内容や求める人物を書くことで、応募数を減らしつつもマッチング精度を高めることができます。
採用担当者または広告制作担当の役割になります。
③応募者の問題
そもそも応募したのに返信すらしないのは応募者の性格やリテラシーの問題であって、プラットフォーム側ではどうしようもありません。
ガールズバーなどのナイトワークは応募後の面接率がとくに低いのは気のせい?
求人プラットフォームの限界
求人プラットフォームは求職者が入社後の定着・活躍は一切関与しません(一部の成功報酬型求人サイトで例外あり)。人材紹介会社は返金規定がありますが、社員教育までは採用した企業任せです。
この課題についても、求人プラットフォームにどこまで責任をもたせるのかが議論の的ですが、求人プラットフォームの課題として挙げてもいいと思ったので挙げさせていただきました。
まとめ
雇用市場ではプラットフォームが担っている役割と責任が大きいと言えますが、プラットフォーム側にも限界はあります。なんでもできるわけではありません。
ただ、どうにもできないと考えられる課題を最新技術で解決・現状打破してくれる企業が出現してくれることを期待もしています。