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名刺管理Sansan人事部の炎上投稿を求人屋視点で考察
雑記・日記・備忘録名刺管理サービスで知られるSansan株式会社の人事担当者・西村(通称にっしー)によるTwitter投稿が炎上しました。
炎上したツイートはすでに削除されていますが「採用は”採ってはいけない人”を見極める仕事だ。最近意味がわかって来た。」と投稿したツイートが派手に炎上しました。
わしが勘違いした人事が大嫌いな理由がここに凝縮されていた。 pic.twitter.com/MMh1PVwhjG
— SHIRAISHI (@yh_shiraishi) January 10, 2022
なぜSansan人事は炎上したのか?批判された理由
寄せられた主な反応は以下のようなものでした。
- 「学生に対して偉そうな立場で『選ぶ』ことは良いことなのか」
- 「会社の名前と職種を背負ったアカウントで発言すべき内容ではない」
- 「あなた自身が採ってはいけない人になっている」
炎上した際にスグに上司に報告できたのでしょうか。人事部長からすれば「早く言ってよ~」と言ったに違いありません。
冗談はさておき、今回の炎上は、いわゆる採用目線の発言が、落とされた側の感情を刺激した構図です。
採用に携わる者からすれば「自社にマッチした人材を見極める」=「マッチしない人は不採用」=「採ってはいけない人を見極める」という言い換えに過ぎない、とも解釈できます。
しかし、言葉の選び方ひとつで印象はまったく変わります。
採用担当のSNS発信はなぜ難しいのか
この発言については「採用の本音を言っただけではないか」という意見と、「企業の人事として不適切な発言だ」という意見の両方が見られました。
しかし重要なのは「事実」ではなく「受け手の感情」です。不採用を経験した求職者が見れば、どう感じるか。この視点が欠けていたことが、炎上の本質だったのではないでしょうか。
さらに問題を大きくしたのは、アカウント名・プロフィールで会社名や人事という役割を明確に公表していた点です。
個人の匿名アカウントであれば受け止められ方は違ったかもしれません。しかし企業名と職種を掲げている以上、その発言は「個人のつぶやき」ではなく、「企業の姿勢」として受け取られます。
特に上場企業の人事担当であれば、発言は企業の公式見解に近い重みを持ちます。採用とSNSの組み合わせは、常にレピュテーションリスクと隣り合わせです。だからこそ、立場を明かして発信する以上、言葉選びには一層の慎重さが求められます。
炎上は誰にでも起こりうる
興味深いのは、炎上する投稿と、炎上しない危険な投稿があることです。
先日、同業他社で働いている求人広告の営業が「求人広告の裏技!オープニングじゃないけどオープニングと書けば応募が増える」といった、求職者を誤認させる投稿をしていました。
これは求職者を意図的に誤認させかねない発信であり、かなり問題の大きい行為だと感じます。ところが、その投稿は炎上どころか「いいね」がついていました。この温度差には正直驚かされます。
炎上は、単純に「内容が悪いから起きる」わけではありません。発信者の立場や企業規模、投稿のタイミング、拡散したアカウントの影響力など、さまざまな条件が重なって初めて可燃性が高まります。
つまり、炎上は特別な誰かだけの問題ではないということです。条件が揃えば、どの企業にも、どの担当者にも起こり得るリスクなのです。
SNS炎上から学べること
今回の件で印象的だったのは、リプライ欄の中にあった冷静な指摘や投資家視点のコメントです。
一投資家として、あなた様の発言は色々と気になってますので、参考までにお伝えします。
にっしーさんが投稿された日と決算は非常に近接してました。更に、にっしーさんは採用に関する発言を社名付きで投稿されています。一方で、Sansanは採用増やすため、利益が伸びないことを発表してます。— okutter@億の細道 (@okutter2) January 14, 2022
深読みしてしまうと、育休中とはいえ、Sansanの採用状況を知り得そうな環境にいる貴殿が採ってはいけない人を見極めることの大事さを語る。
これはとても重く解釈もできるのです。大量採用はうまく行っておらず、見極めが課題と痛感する事態になっているのではないかと。— okutter@億の細道 (@okutter2) January 14, 2022
社名をつけて呟くのは、こういう風に投資家などのステークホルダーには、結構影響を与えかねません。特に、投資家は株価に影響するので、とても敏感です。
この点を踏まえて自己実現的な投稿は、所属が連想されない、匿名の個人のアカウントをお薦めします— okutter@億の細道 (@okutter2) January 14, 2022
炎上のコメント欄は、ある意味で最高のケーススタディです。若手社員にソーシャルメディアポリシーの資料を配るよりも、実際の炎上事例を見せた方が、よほど実践的かもしれません。
- 採用担当の発言がどのように受け取られるのか
- 言葉選びが企業ブランドに与える影響
- SNSと採用ブランディングの関係
リアルな学びが詰まっています。
まとめ|採用担当こそ「言葉のプロ」であるべき
「採用はマッチングの仕事」であること自体は事実です。しかし、だからといってどのような言い回しでも許されるわけではありません。
今回の発言は、多くの求職者や学生の立場への配慮を欠いた表現であり、企業の看板を背負う人事担当としては軽率だったと言わざるを得ません。大手上場会社名を背負って発信する人事担当の発言としては、言葉の選び方が議論を呼ぶ結果となりました。
特にSNSでは、140文字が企業ブランドや信頼を一瞬で毀損します。採用担当は人を見極める立場であると同時に、常に社会から見られている立場でもあります。
採用ブランディングは、言葉の積み重ねです。炎上を他人事とせず、自社のソーシャルメディアポリシーや広報体制を見直すきっかけにしたいものです。その一言が企業価値を上げるのか、下げるのか…。
当社では、炎上リスクを恐れず発信したい企業様よりも、炎上を戦略的に避けながら採用ブランディングを高めたい企業様からのご相談をお待ちしております。

