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映画『君の名は。』から考える高校生バイトと労働問題
採用手法・採用知識2016年に記録的大ヒットした映画『君の名は。』ですが、求人広告屋の視点で見ても非常に面白い作品です。採用の専門家から見る独自の評価・レビュー情報をまとめました。※一部ネタバレ含んでいます。
宮水三葉(糸守高校2年)
こんな町、本屋もないし歯医者もないし。電車は2時間に一本やし、バスは一日に2本やし、コンビニは9時に閉まるし。そのくせスナックは2軒もあるし。雇用はなし、嫁は来ないし、日照時間は短いし
雇用がないと言っていますね。田舎でもコンビニやスーパーなど高校生OKのバイトはありますが、過疎化が進んでいる地域だとそもそも働ける場所がありません。
なおスナックは風俗営業に属するため、18歳未満である高校生の三葉は法律上働くことはできません。
スナック2件ある点が微妙にリアリティがありますね(笑)本当に田舎に行ってしまうと収入格差以前に働く場所がないのは本当です。三葉は隕石問題がなくても上京していたと予想されます。
立花瀧(神宮高校2年生)
もう一人の主人公の立花瀧は、イタリアンレストランでウェイターのアルバイトをしているシーンがあります。
労働基準法第61条では「使用者は、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。」とされています。これは都道府県に関係なく適用されます。
一般的なレストランであれば深夜1時頃まで営業していると思いますが、高校2年生の主人公にとって夜10時までしか働くことができません。
平日は17時頃から22時の5時間程度しか働くことができない高校生を雇うメリットが少なく、募集条件において高校生不可にしている雇用主は多いです。
ただ新宿や渋谷では深刻な労働力不足から高校生でも歓迎している店舗は実は多いんですよね。ちなみに表参道駅の高校生OKのバイト探しをしたら、ドトールコーヒー、やよい軒、ほっともっと、ファミリーマート等の求人が見つかりました。
映画のワンシーンで、アルバイト先の先輩である奥寺ミキの制服のスカートが、カッターで切り裂かれ破れてしまう場面があります。瀧もとい三葉が得意の刺繍仕立てで縫ってあげる場面ですが、どうも閉店後のような気がします…。
都心のレストランが10時前に閉店するのは一般常識的にも考えづらいです。社会問題化したブラックバイト問題も取り入れるとは!(`・∀・´)
余談ですが、イタリアンレストランのモデルとなっているのは新宿御苑のイタリアンレストラン「カフェ ラ・ボエム新宿御苑」だそうで、株式会社グローバルダイニングが運営店舗でした。
もちろん18歳未満の方は、22時までの勤務となる旨が明記されていたことを補足しておきます。
地方の雇用と賃金格差の実情という意味でも非常に興味深い映画でした。当社では名前を忘れない採用にお困りの企業様を募集しています。